第四次産業革命 (デジタル トランスフォーメーション)により、世界のあらゆる産業がデジタル化して、世界中のあらゆる企業がデジタル企業 (ソフトウェアカンパニー)に変遷していく中、日本企業には、他国にはない特徴的な課題があります。それは、ユーザー企業内の IT エンジニアの割合が低く、IT ベンダー企業に大きく依存しているということです。
IT ベンダー企業に IT を依存する日本企業
IPA の IT人材白書 2017 によると、米国における IT エンジニアの雇用先のユーザー企業/IT ベンダー企業の比率は 65% : 35%、一方、日本においては 72% : 28% となり、日本では IT ベンダー企業にエンジニアが在籍している割合が非常に高いことが分かります。
この数字は、10 年前と比べても 2% 程度しか変動がなく、日本においては常に IT ベンダー企業にエンジニアが在籍していたことがわかります。(IT 人材市場動向予備調査 2007 より)
また、この傾向は、他の西欧諸国との比較でも同じで、カナダ、ドイツ、イギリス、フランスにおいても IT ベンダー企業に在籍するエンジニアの割合は総数の 40~45% にとどまっています。
つまり、日本では IT はユーザー企業の中で扱うものではなく、IT ベンダー企業にアウトソースするという習慣が根付いているのです。よく日本には CIO (最高情報責任者)が設置されていない、ということも相関しているものと思われます。
IT エンジニアの社内不在がデジタルトランスフォーメーションで不利に働く!?
ここで、デジタルトランスフォーメーションに話を戻すと、これはデジタル技術を自社の産業と組み合わせることで、新しい仕組みや商品を創造的に作っていく過程です。この際に自社内にデジタルスキルを持った IT エンジニアが不在だと、変革をするうえでのスキルが不足してスピードが遅くなる可能性があります。
逆に言うと、我々 IT ベンダー企業の立場で言うと、従来型のコスト削減やリスク回避型の IT 提案の延長にとらわれず、ユーザー企業がデジタルトランスフォーメーションを生き残れるような、コアビジネス部分のデジタル化を積極的に推進できるような提案を仕掛けていく必要があります。
デジタルトランスフォーメーションは地球レベルでの競争なので、日本企業が後れを取ると、欧米やアジアなどほかの国々にどんどん先を行かれてしまいます。日本はアジア諸国の中でもデジタルトランスフォーメーションに後れを取っているというデータがあります。
デジタルトランスフォーメーションを提案するための力をつけよう
パートナー企業の皆様がデジタルトランスフォーメーションの提案力をあげるために、日本マイクロソフトでは様々な施策をご用意しています。主にお薦めしているのは以下の項目です。
- デジタルトランスフォーメーション技術の自社利用: 社内の多くのメンバーが技術に触れてインスピレーションを得るには、自社で技術を利用するのが最も手っ取り早い方法です。マイクロソフトでは、コンピテンシー制度等によって得られる社内使用ライセンスの活用をパートナーの皆様向けに推進しています。これにより、社内の多くのメンバーがその技術になじみが深まり提案力が向上します。
- 技術者のノウハウを集約するCOE (Center Of Excellence) の構築: より高度なノウハウを社内に蓄積するには、専門の技術者グループを社内に設置し、啓発、普及、展開、徹底を行います。これにより、提案力と品質の底上げが行われます。
- 技術者の資格取得: 専門的な知識を深めるために、Azure、データベース、データサイエンス等の専門分野で資格を取っているエンジニアを増やすことをお勧めしています。
それぞれの項目についての詳細は、日本マイクロソフトのパートナー担当営業、またはパートナーコールセンターまでお問い合わせください。