TCM 株式会社と日産フォークリフト株式会社の事業統合により誕生した新会社、ユニキャリア株式会社では、世界展開も見据えた情報基盤に Google Apps ではなく Office 365 を選択しました。この理由について、経営戦略本部IT部長 武藤 英之 氏に伺いました。
Q. ユニキャリアについて教えてください。
武藤氏: ユニキャリア株式会社は、フォークリフト業界の世界トップを実現するため、2011 年 12 月に設立された企業です。2012 年 8 月に TCM株式会社と日産フォークリフト株式会社を傘下に収め、グループとしての活動を開始し、この4 月に両社の完全統合を果たし、新統合会社として歩みをはじめたところです。"Challenge for Excellence ( 超一流への挑戦)" を長期経営ビジョンに掲げ、戦国時代を迎えた物流ソリューション業界における「真のエクセレントカンパニー」を目指しています。
Q. 情報共有基盤にクラウド サービスを選択した理由を置き換えください。
武藤氏: 長期的なコストを削減するには、ハードウェアを自社に持たないことが必須条件です。またリーマンショック以降激変する市場の中で投資を最適化することを考慮し、柔軟に経営環境に合わせて利用することが可能なクラウドサービスを多く選ぶことは必然と考えます。
今回は新統合会社発足に合わせてスピーディに環境を構築し競争力の源泉となる社員が力を発揮できる環境の整備を早期に立ち上げる必要もありましたのですぐにサービスの利用を開始出来る点も考慮しました。これで新しい経営の早期浸透へとつなげることが出来るとかんがえております。
Q. Google AppsではなくOffice 365を選択した理由は何ですか?
武藤氏: Office 365 なら多様な機能が統合され、シームレスに使えます。これに加え、使用感が以前のシステムと大きく異ならないことも重視しています。TCM と日産フォークリフトでは、どちらもメールは Microsoft® Exchange Server が使用されていました。Office 365 では Outlook 2010 の機能をフル活用できるため、ユーザーも違和感なく利用できます。ユーザー自身が培ってきたノウハウを捨ててまで、他社サービスを採用する理由はないと考えました。逆に多くの企業でOutlookを使っている中で、Google Appsの良さはどこにあるのか?我々はOfficeを中心にマイクロソフトの中で生活をしているのでその中で選びたいと考えました。
みなさんは会社に来て、まず Outlook を開きませんか?もしそうだとすれば、みなさんの生活は Outlook を中心だといっても過言ではないでしょう。好むと好まざるに関わらずにです。その生活の中心にあるソフトにその他の情報やツールを付加していくことが、ユーザビリティを上げる最短の道だと私は考えています。激しいテクノロジーの進化の中、本当に必要なサービス・機能をきちんと使おうと。ベーシックなものを社員全員が使いこなすことが最も大事である点を理解するべきだと思います。
Q. Office 365を利用するメリットは何ですか?
武藤氏: 先程もOffice 365 なら多様な機能が統合され、シームレスに使える点やマイクロソフトを選んだ理由をお伝えしましたが、このメリットをより大きくすべき拡大していきたいと考えています。Officeを使いこなし、最も親和性が高い情報基盤としてOffice 365を導入しました。メール、スケジュール管理/ 共有、ポータル、ドキュメント共有、インスタント メッセージング (IM)、オンライン会議、スケジュールと連動したプレゼンスなどの機能が使われ始めています。ドキュメント共有では、車輌カタログや設計情報、受発注データなどを共有。ポータルでは、社長から全社に対するメッセージ発信やマネージメント関連情報の共有等が予定されており、これによって新たな企業文化の浸透を促進していく計画です。社員にとって新しい機能となるIMは自然発生的に利用が普及すればよいと考えています。更にERP や CRM のクラウド化に向けた準備も始まっており、Microsoft Dynamics® AX の検討も進めています。システム間の接続や親和性を高めるというのは非常に手間やコストがかかるものなのです。マイクロソフトの製品やサービスを利用することによって自動的にこの要素がクリアできることは非常に大きな意義があると考えています。従業員に対してITをサービスしている立場から考えて余計なITのリソース、手間をかけたくない。他の会社がOffice 365でないことが理解に苦しむ程です。勿論、いざ導入となれば様々な課題は出てきます。AD FSの利用検討ではID管理は社内にあるべきなのか、BCPの観点からクラウドに上げるべきなのか。海外拠点での利用ではどうあるべきか。様々な相反する課題の中、今後も如何に様々な視点から判断を下し、使いこなしていきたいと考えております。
ユニキャリアの事例についてより詳しく知りたい方は、以下のサイトもご覧ください。