(この記事は 2017 年 4 月 21 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 3 Ways Technology Will Save the Environment の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)
テクノロジと環境保護との直接的な結び付きはなかなか想像しにくいかもしれません。一見すると、この 2 つはまったく関連性がなく、むしろ相反する (英語) ように思えるでしょう。テクノロジとは、身の回りの環境を自分たちに都合良く作り変えようとする人間社会の欲求から生み出されるものです。しかし、テクノロジは人々の生産性を向上させるだけでなく、より豊かな自然環境作りにも大きく貢献する力を備えており、マイクロソフトはそうしたプラスの側面に注目しています。
今回の記事では、今まさにテクノロジを活用した環境保護に取り組んでいるマイクロソフトのプロジェクトやパートナー様の事例をいくつかご紹介したいと思います。
スマート アグリカルチャー
バイオテクノロジは、人間がテクノロジを活用することで従来とは異なる形で環境に影響を与えられるようになる、すばらしい研究分野です。バイオテクノロジを導入すると、収穫量が増加するだけでなく、水や土壌をはじめとする環境全体の質の保全も可能 (英語) になります。
マイクロソフトでは 1 つの取り組みとして、農家の皆様が健康な農作物を育てて全体的な収穫量を拡大できるように、水中の pH レベルや栄養塩分布を監視するシステムを強化し、大きな成果を収めました。マイアミに拠点を置く家族経営の企業グループ Costa Farms は、Azure の IoT システムを利用して効率化と生産性向上を図っています。このソリューションには、マイクロソフト パートナーである Adafruit の Feather M0 Wifi (英語) や pHSensor、Microsoft Azure、IoT Hub、Stream Analytics、Event Hub、Azure Functions、SQL Azure が使用されており、給水系統全体の pH 測定機器を監視して pH レベルが適切かどうかをリアルタイムで確認できます。
現在では、こうした農業の自動化 (英語) や革新的な農業テクノロジの登場により、大幅な効率化と無駄の削減が実現され、環境への悪影響も最小限に抑えられるようになりました。
ビッグ データの活用による環境保護
マイクロソフトやパートナーの皆様が認識しているとおり、地球上の資源を監視・管理するためには、データが不可欠です。マイクロソフトのチーフ環境ストラテジストである Rob Bernard は先ごろ、2017 年のグリーン テクノロジ予測に関するブログ記事 (英語) で次のように述べました。「地球についてはまだまだわからないことばかりです。しかし、地球上の炭素貯蔵量や大気中に含まれるガス、生態系、そしてそこから生み出される価値を明らかにして理解を深めることに多くの企業が目を向け始めており、そのために必要なツールやプラットフォームを開発するべく多額の投資を行っています。」データを活用すれば、環境保護や生物多様性管理の問題に対し、先を見越して現実的な対策を立てられるようになります。
マイクロソフト パートナーの HP は、自然保護団体 Conversation International および世界各国の研究者グループ Tropical Ecology Assessment and Monitoring (TEAM) Network (英語) と協力し、すばらしい取り組みを進めています。それは、新しいテクノロジを活用して、熱帯雨林の環境変化や世界各地の生態系について調査しようというものです。生息している生物種、植物の生育状況、降水量、気温、炭素貯蔵量、湿度、太陽放射などのデータを、気象センサーやカメラ トラップを使用してほぼリアルタイムに収集し、野生動物の生息数や生物多様性についてリモートで観測しています。このプロジェクトでは、最先端の科学とテクノロジを駆使してデータや偏りのない情報を収集し、環境を最優先に考えて意思決定を下せるように支援することを目指しています。
インテリジェントなインフラストラクチャ
MPN ブログではこれまでにも、パートナー様の取り組みやテクノロジによってスマート ビルディングやエネルギー利用の効率化が実現された事例を数多くご紹介してきました。中でも特筆すべきなのが、マイクロソフト パートナーである Accenture とシアトル市による取り組み (英語) です。シアトル市は Accenture の協力を得て、市中心部での電力使用量を最大 25% 削減することを目標とした、地域規模のスマート ビルディング プログラムを計画しました。そして、Azure と SQL Server 2012 を使用して既存のビル管理システムに予測分析を導入し、機器の最適化を行って、エネルギー削減を図りました。
このスマート ビルディング ソリューションは、医療研究施設、主要なオフィス ビル、産業施設、ホテルを含む 5 棟に導入されました。このソリューションにより、エネルギー費用と保守費用を 10 ~ 25% 削減できる見込みです。マイクロソフトのクラウド ベース ソフトウェアを利用して既存のビルのデータから有益な情報をリアルタイムで収集する方法は、ビル所有者だけでなく電力会社にとっても実に画期的でした。マイクロソフトの CityNext プログラムでは引き続き、さまざまな方法で都市のデジタル改革を後押しして行政運営の最適化を可能にすると共に、都市環境への影響を大幅に低減できる革新的な取り組みを支援してまいります。
新しいクラウド テクノロジを活用して地球環境を保護するアイデアをお持ちでしたら、ぜひお聞かせください。皆様のご意見をお待ちしております。