こんにちは、Windows プラットフォーム サポート大川です。
今回は VSS Hardware Provider と VSS を利用したバックアップが失敗するお話です。
現在ご利用いただいている環境の中に外部ストレージの機能を利用したバックアップを
実施している環境があるかと思います。
この外部ストレージのバックアップ機能に Windows で提供している VSS と連携した
バックアップ機能もあります。VSS によりデータの静止点を作成し、その静止点のデータを
ストレージの機能でバックアップする機能です。
VSS とストレージの機能を連携するため、各ストレージ ベンダ様から VSS Hardware Provider
と呼ばれるモジュールが提供されています。この VSS Hardware Provider と VSS を利用した
バックアップがファイル システムの不具合により失敗してしまう場合があります。
以下に詳細を記載いたします。
1. 現象
———————————————————————————
VSS Hardware Provider を使用して VSS スナップショットを作成すると、
LUN の無効化処理に失敗し、バックアップ処理が失敗する場合があります。
また、本事象は NTFS でフォーマットされたボリュームにおいて発生しますが、
Cluster Shared Volumes (CSV) を対象としたバックアップ処理で発生しやすいことが確認
できています。
2. 原因
———————————————————————————
ファイル システムの TxF (Transactional NTFS) リソースマネージャの内部処理が
正しく行われないために発生します。
バックアップ処理の中で、VSS スナップショット ボリュームに対するロック処理や
オフライン処理などの制御を行いますが、その過程において TxF リソースマネージャの
内部処理が不正であるため、正しい制御が行えず、バックアップが失敗します。
3. 解決策
———————————————————————————
この問題を解決するための修正プログラムを含んだロールアップ プログラムが提供されています。
以下を適用することにより事象が改善するかご確認いただければと存じます。
文書番号 : 4015550
タイトル : April 18, 2017—KB4015553 (Preview of Monthly Rollup)
https://support.microsoft.com/en-us/help/4015553/windows-8-1-windows-server-2012-r2-update-kb4015553
現時点では Windows Server 2012 R2 のみですが、Windows Server 2016 についても今後提供予定です。
※Windows Server 2016 の修正プログラムについては 2017 年 6 月頃を予定しています。
(2017 年 4 月時点)
本ブログが少しでも皆様のお役に立てば幸いです。