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Ignite 2018 で発表されたデータセンター移行に関する最新情報【11/13更新】

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(この記事は2018年10月18日にHybrid Cloud Best Practices blog に掲載された記事Datacenter migration updates from Ignite 2018の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)

数週間前、フロリダ州オーランドで Microsoft Ignite 2018 が開催されました。Microsoft Ignite は、IT プロフェッショナルを対象とするマイクロソフトの年次カンファレンスです。今年も 700 以上のセッションと 100 以上の発表が行われました。

その中から今回は、自社データセンターから Azure への移行を検討している皆様に関連する発表をご紹介します。

まず、ノルウェー西部とノルウェー東部の 2つの新しいリージョンが発表されました。北欧のお客様とパートナー様は、ネットワーク レイテンシの影響を最小限に抑え、ワークロードを Azure に移行できるようになります。これにより、Azure リージョンの数は合計 54 (提供中 + 今回発表) になりました。

また、IaaS に関する最新情報も数多く発表されました。

  • 新たに 5 種類の VM シリーズを発表:
    • NVv2: リモートの視覚化ワークロードやその他の GPU 負荷の高いアプリケーションをサポートするように設計されています。新しい NVv2 VM は、前世代の NVv1 のメモリ容量の 2 倍に相当する最大 448 GiB RAM、アップグレードされた CPU クラス、NVIDIA Tesla M60 GPU を搭載しています。NVv2 VM では Premium SSD もサポートされ、CAD、ゲーム、インタラクティブな 3D 設計といった用途に最適化されています。現在、プライベート プレビューが開始されています。ご興味のある方は、こちらのページ (英語) からアクセス権を申請してください。
    • NDv2: ND シリーズに新たに追加された NDv2 VM は、ディープ ラーニングのトレーニングと推論、機械学習に特化しています。新しい NDv2 は、高品質な結果を高速に提供するため、NVIDIA NVLink GPU によって相互接続された最大 8 個の NVIDIA Tesla V100 Tensor コア GPU と最大 40 コアの インテル Skylake を搭載しています。NDv2 VM のプレビューは年内に開始される予定です。
    • HB: これらの新しい VM は、60 コアの AMD EPYC 240 GiB RAM を搭載しており、パブリック クラウドで最速となる 260 Gbps のメモリ帯域幅を備えています。これは、流体力学や気象予測などで求められる演算処理において非常に重要です。プレビューは年内に開始される予定です。ご興味のある方は、こちらのページ (英語) からアクセス権を申請してください。
    • HC: これらの VM は、演算処理負荷の高いワークロードに最適化されています。HC VM は、最大 352 GiB RAM、クロック速度最大 3.7 GHz 44 コアの インテル Skylake を搭載しており、インテルの豊富な HPC ソフトウェア ツールのエコシステムをサポートします。プレビューは年内に開始される予定です。ご興味のある方は、こちらのページ (英語) からアクセス権を申請してください。
    • DC: この新しい Azure VM ファミリでは、パブリック クラウドでの処理中にデータとコードの機密性と整合性を保護することができます。これらの VM は、最新世代の 3.7 GHz インテル Xeon E-2176G プロセッサを搭載し、SGX テクノロジ (英語) を採用しています。インテルのターボ・ブースト・テクノロジーにより、これらの VM は最大 4.7 GHz を達成します。DC シリーズのインスタンスでは、使用中にコードやデータを保護する Secure Enclave ベースのアプリケーションを開発できます。

  • Managed Disks の機能強化:
    • Standard SSD Managed Disks: 一般提供が開始されました。Standard SSD Disks は、コスト効率に優れたストレージ オプションで、比較的低レベルの IOPS で安定したパフォーマンスが求められるワークロードに最適化されています。Standard HDD Disks ではデータがハード ディスク ドライブ (HDD) に保存されるのに対し、Standard SSD Disks ではデータがソリッド ステート ドライブ (SSD) に保存されます。Standard SSD Disks は、HDD Disks と比較して可用性、安定性、信頼性、レイテンシの点で優れており、Web サーバー、低 IOPS のアプリケーション サーバー、利用負荷の低いエンタープライズ アプリケーション、開発/テスト ワークロードに適しています。
    • Ultra SSD Managed Disks: パブリック プレビューが開始されました。Ultra SSD は、他の Azure ディスク サービスと同レベルの高可用性に加えて、最上位のパフォーマンスを実現するソリューションです。さらに、仮想マシンを再起動することなく、ディスク パフォーマンスを動的に調整することもできます。Ultra SSD は、SAP HANA、主要データベース (SQL Oracle など)、トランザクションの多いワークロードといった入出力処理の負荷が高いワークロードに適した設計となっています。
    • Managed Disks の大容量ディスク: 従来のレベルでは最大 32 TiB、新しい Ultra SSD では最大 64 TiB と、従来の 4 TiB から大幅に引き上げられました。新しいディスク サイズでは、Premium SSD のパフォーマンスが最大 20,000 IOPS 750 MbpsStandard SSD のパフォーマンスが最大 2,000 IOPS 500 Mbps に向上しています。現在、米国中西部リージョンでパブリック プレビューが提供されています。一般提供の開始後は、他のリージョンでも提供が開始される予定です。

新しいネットワーク サービスおよび機能:

  • ExpressRoute Direct: この ExpressRoute の新しいモードでは、世界中に戦略的に分散されたピアリング拠点において、自社ネットワークをマイクロソフトのグローバル ネットワークに直接接続することができます。ExpressRoute Direct では、大規模なアクティブ/アクティブ接続をサポートするデュアル 100 Gbps 接続が提供されます。これにより、高速で信頼性に優れた 100 Gbps パイプを使用して、自社データセンターを最寄りの Azure リージョンに直接接続することができます。
  • ExpressRoute Global Reach: この ExpressRoute の新機能では、世界中の複数の ExpressRoute 回線をリンクすることができます。
  • Azure Firewall: 一般提供が開始されました。Azure Firewall は、Azure Virtual Network リソースを保護するクラウドベースのマネージド ネットワーク セキュリティ サービスです。ファーストパーティ製の完全にステートフルなサービスとしてのファイアウォールであり、組み込みの高可用性と無制限のクラウド スケーラビリティを備えています。
  • Azure Virtual WAN: サービスの一般提供と新機能のプライベート プレビューが開始されました。Azure Virtual WAN は、Azure 経由のブランチ間接続を最適化および自動化するネットワーク サービスです。Virtual WAN を使用すると、ブランチ デバイスを Azure に接続し、通信するように構成できます。Virtual WAN 環境には、サイト間接続 (一般提供開始) の他に、ポイント対サイト接続や ExpressRoute 接続を追加することができます。
  • VMware NSX SD-WAN for Azure Virtual WAN (英語): VMware とマイクロソフトは、お客様が SD-WAN Virtual Cloud Network アーキテクチャを使用して自社ネットワークを再設計し、クラウド アクセスに最適化できるように取り組んでいます。これは、130 のエッジ サイト (PoP: Point of Presence) にわたる Microsoft Virtual WAN と、クラウドベースの NSX SD-WAN by VeloCloud で提供される最適化機能、セキュリティ、デプロイと使用の容易さを組み合わせたソリューションです。
  • Azure DDoS Protection の新機能 (英語): DDoS Attack Analytics と DDoS Rapid Response が追加されました。これらの機能は、自社のリソースが攻撃を受けた場合にエンタープライズ レベルの可視性とサポートを提供します。DDoS Attack Analytics では、攻撃に関するインサイトが提供されます。これらの情報をコンプライアンス、セキュリティ監査、攻撃後の分析に使用して、防御戦略とセキュリティ運用を最適化することができます。DDoS Rapid Response では、攻撃の発生中に DDoS エキスパートに連絡し、専門的なサポートを受けることができます。
  • Azure Front Door: この新しいサービスは、世界規模のマイクロソフト グローバル ネットワーク インフラストラクチャ上に構築されており、エンド ユーザーに近い場所にグローバル アプリケーションを配信し、保護することができます。このサービスは、運用環境での使用に耐えてきた実績があり、BingOneDriveXbox Live チームがアプリケーションをグローバル配信するために使用されたソリューションを製品化したものです。

 

自社データセンターから Azure にデータを迅速かつ低コストで移動できる Azure Data Box ファミリの新製品:

  • ネットワークが混雑していて利用できない場合にも、データを Azure に簡単に移動できる Data Box オフライン デバイス:
    • Data Box: 100 TB の容量を備えた堅牢なデバイスです。標準の NAS プロトコルと一般的なコピー ツールを使用できます。AES 256 ビット暗号化を採用し、データ移動の安全性を高めています。今回、このソリューションの一般提供が開始されました。米国とヨーロッパでは Azure ポータルから注文することができます (今後、他のリージョンにも対応する予定です)
    • Data Box Disk: マイクロソフトが提供する 8 TB SSD で、USB/SATA インターフェイスと 128 ビット暗号化を採用しています。最大 5 (合計 40 TB) のパックで提供されます。
    • Data Box Heavy: その名のとおり、この堅牢な自己完結型のデバイスは、1 PB のデータをクラウドにリフトできるように設計されています。
  • ネットワーク経由で Azure とのデータ転送を行う Data Box オンライン アプライアンス:
    • Data Box Gateway: Azure との間でシームレスなデータ転送を行うことができるストレージ ソリューションです。お客様の仮想環境にプロビジョニングされた仮想マシンをベースとする仮想デバイスです。仮想デバイスはオンプレミスに存在し、NFS および SMB プロトコルを使用してデータを書き込みます。このデータは Azure ブロック BLOB、ページ BLOBAzure Files に転送されます。
    • Data Box Edge: Azure との間でデータ転送を行うオンプレミスの物理ネットワーク アプライアンスです。オンプレミス データを分析、処理、変換したうえで、インテル FPGA を活用した AI 対応のエッジ コンピューティング機能を使用してクラウドにアップロードします。Data Box Edge には、前述の Azure Data Box Gateway Azure IoT Edge が含まれます。

 

新しいファイル サービス:

  • Avere vFXT for Azure: マイクロソフトが先日買収した Avere Systems 製のキャッシュ ソリューションです。Azure Blob に保存されているデータを階層化して、ジョブの実行中に Azure Compute SSD ベースのキャッシュに保存します。処理が完了すると、このデータは再度 Blob に書き込まれます。ハイブリッド デプロイメントやエッジ コンピューティングをサポートする柔軟性の高い Avere vFXT は、HPC 環境におけるファイル ベース アプリケーションのクラウド移行戦略の中で重要な役割を果たします。
  • Azure NetApp Files: マイクロソフトと NetApp が共同開発した Azure NetApp Files は、NetApp ONTAP テクノロジとストレージの専門知識を活用したネイティブの Azure サービスで、大半の組織におけるパフォーマンス、スケーラビリティ、データ管理、セキュリティなどの要件を上回るように設計されています。
  • Azure File Sync: オンプレミスの Windows Server のファイルを Azure ファイル共有にレプリケートするサービスです。Azure File Sync を使用すると、データへのローカル アクセスを維持しながら、Azure 内でファイル サービスを集中管理することができます。
  • Azure Premium Files: 新しいフル マネージド型のファイル サービスです。既存の Azure Files と比較して 100 倍安定したパフォーマンスを提供するように最適化されています。このサービスは、高いスループットと 10 ミリ秒未満のレイテンシが求められる I/O 負荷の高いエンタープライズ ワークロード向けに設計されています。

Azure SQL Database Managed Instance の一般提供が開始されました。Azure SQL Database Managed Instance は、Azure SQL Database の新しいデプロイメント モデルです。最新のオンプレミス版 SQL Server (Enterprise Edition) データベース エンジンとほぼ 100% の互換性を備えているほか、セキュリティに関する一般的な懸念事項に対処するネイティブの仮想ネットワーク (VNet) 実装と、オンプレミス版 SQL Server のお客様にとって望ましいビジネス モデルが提供されます。Managed Instance を使用すると、既存の SQL Server のお客様は、最小限のアプリケーションおよびデータベース変更を行うだけで、オンプレミスのアプリケーションをクラウドにリフト & シフトすることができます。同時に、Managed Instance ではすべての PaaS 機能 (修正プログラムの自動適用とバージョン更新、自動バックアップ、高可用性) が維持されるため、管理の負担を大幅に軽減し、TCO を削減できます。これは、データセンター移行プロジェクトの対象範囲に SQL Server が含まれる場合に最適なオプションです。また、以下の重要なポイントもご確認ください。

その他の重要な発表:

  • Windows Server 2019 の一般提供が開始されました。Windows Server の最新バージョンの新機能については、こちらの記事をご確認ください。
  • Azure Stack の新しいサービス (KubernetesEvent HubsService Fabric) が発表されました。
  • Managed Disks を使用している VM をサブスクリプション間で移動できるようになりました。たとえば、EA Azure サブスクリプションから CSPCSP Azure サブスクリプションから EA に移動できます。
  • Azure Cloud Shell の一般提供が開始されました。Azure Cloud Shell は、Azure のリソースを管理するためのインタラクティブなシェルで、Azure ポータルからワンクリックで直接アクセスできます。Azure Cloud Shell では、作業に最適なシェル エクスペリエンスを柔軟に選択することができます。たとえば、Linux ユーザーは Bash エクスペリエンス、Windows ユーザーは PowerShell を選択できます。
  • Azure Database ポートフォリオには、MySQLPostgreSQLSQL Server に加えて、MariaDB (プレビュー) も追加されました。
  • Windows Virtual Desktop が発表されました。年内にプライベート プレビューが開始される予定です。Windows Virtual Desktop は、Windows および Office クライアントを Azure に数分でデプロイしてスケーリングできる新しい VDI ソリューションで、組み込みのセキュリティとコンプライアンスを備えています。
  • Azure Blueprints のパブリック プレビューは実施されません。Azure Blueprints を使用すると、新しい環境を迅速にプロビジョニングして立ち上げることができます。新しい環境は組織のコンプライアンスに従って構築され、組み込みのコンポーネントが含まれます。Blueprint では、複数のリソース テンプレートやその他のアーティファクト (ロールの割り当て、ポリシーの割り当て、Azure Resource Manager テンプレート、リソース グループなど) のデプロイメントの宣言的なオーケストレーションを行うことができます。

以上は Ignite 2018 における Azure 関連の発表のごく一部です。発表事項の一覧については、こちらのページ (英語) をご覧ください。また、すべてのセッションの動画とプレゼンテーションは、こちらのページ (英語) からご覧いただけます。

最後に、特に重要なセッションの動画をご紹介します。

  1. BRK2041 - A deeper look at Azure Storage with a special focus on new capabilities (Azure Storage の詳細と新機能、英語): Azure Storage サービスの基盤となるハードウェアの進化と、記憶媒体にガラスや DNA を使用した将来のコスト効率に優れたデータ ストレージに関する興味深い情報を紹介します。
  2. BRK2483 - Azure networking internals (Azure ネットワークの内部構造、英語): グローバルな Azure ネットワークの内部的なしくみと、マイクロソフトが世界最大規模のソフトウェア定義ネットワークを運用するうえで解決する課題について説明します。
  3. BRK3296 - Tips and tricks to get the most out of your Azure virtual machines (Azure Virtual Machines を最大限に活用するためのヒントとコツ、英語): Azure Virtual Machines チームの担当者が Azure VM を最大限に活用するための多数のヒントとコツを紹介します。
  4. BRK3055 - Azure migration deep dive: Accelerate your migration with the right tools (Azure 移行サービスの詳細: 適切なツールを使用して移行をスピードアップ、英語): この多数のデモを取り入れたセッションでは、Azure MigrateAzure Site RecoveryDatabase Migration Service などの Azure 移行サービスを活用して、移行を自動化してスピードアップする方法を説明します。
  5. BRK2414 - Migrating your Linux solutions to Microsoft Azure (Microsoft Azure への Linux ソリューションの移行、英語): Azure への Linux ソリューションの移行に役立つ既存のサービスと IP の概要を紹介します。
  6. BRK3337 - Azure migration customer experiences and best practices (Azure への移行におけるお客様のエクスペリエンスとベスト プラクティス、英語): Azure のお客様がオンプレミスのデータセンターから Azure にアプリケーションを移行した際の手順を紹介します。
  7. BRK3165 - Azure SQL Database Managed Instance: Migrate SQL Servers easily to a fully managed cloud service (Azure SQL Database Managed Instance: SQL Server をフル マネージド型のクラウド サービスに簡単に移行、英語)BRK3163 - Securing Azure SQL Database Managed Instance: Overview and best practices (Azure SQL Database Managed Instance の保護: 概要とベスト プラクティス、英語): 新しい Azure SQL Database Managed Instance の詳細を説明します。

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