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SQL Server 2014 Service Pack 3 をリリース

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執筆者: SQL Server Engineering Team

このポストは、2018 年 10 月 30 日に投稿された SQL Server 2014 Service Pack 3 is now Available!!! の翻訳です。

 

このたび、SQL Server 2014 Service Pack 3 (SP3) がリリースされました。SQL Server 2014 SP3 には、お客様や SQL コミュニティからのフィードバックに基づくパフォーマンス、スケーラビリティ、診断関連の 25 以上の機能強化が追加されています。今回の機能強化により、SQL Server 2014 を最新のハードウェア設計で実行した場合にパフォーマンスが高速化し、事前設定不要でスケーリングできます。今回のリリースは、SQL 製品チームによる継続的な価値提供の取り組みの成果でもあります。今回のリリースに関する詳細については、KB4022619 をご覧ください。

以下に、SQL 2014 SP3 で導入された機能強化の詳細をご紹介します。

SQL 2014 SP3 の機能強化

  • ディストリビューション データベースのクリーンアップ手順の改善: ディストリビューション データベース テーブルのサイズが過度に大きい場合に、ブロックやデッドロックが発生していました。今回のクリーンアップ手順の改善は、このようなブロックやデッドロック シナリオの一部を解消することを目的としています。
  • Change Tracking のクリーンアップ: Change Tracking のサイド テーブルのクリーンアップのパフォーマンスと効率が向上しました。
  • Resource Governor で CPU タイムアウトを設定して要求をキャンセル: クエリ要求の処理を改善するために、CPU のしきい値に達した場合に要求がキャンセルされるようになりました。
  • SELECT INTO を使用して目的のファイル グループにターゲット テーブルを作成: SQL Server 2014 SP3 より、T-SQL 構文の SELECT INTO では、ON <ファイル グループ名> キーワードを使用して、ユーザーの既定のファイル グループ以外のファイル グループにテーブルを読み込むことができます。
  • 大容量メモリ マシンでのデータベースのバックアップ パフォーマンスの向上: SQL Server 2014 SP3 では、バックアップ時の進行中の I/O をドレインする方法が最適化され、中小規模のデータベースのバックアップ パフォーマンスが大幅に向上しました。たとえば、2 TB のマシンでシステム データベースのバックアップを実行した場合には、パフォーマンスが 100 倍以上に向上しています。データベースのサイズが大きくなるにつれて、このパフォーマンス向上率は低くなります。これは、バッファー プールの反復処理に比べて、バックアップ対象のページが増え、バックアップ I/O に時間がかかるためです。今回の機能強化により、大容量メモリを備えたハイエンド サーバーで複数の小規模なデータベースをホストしているお客様のバックアップ パフォーマンスが向上します。
  • 圧縮バックアップのデータベース復元パフォーマンスの向上: SQL Server 2014 SP3 では、バックアップが圧縮されている場合に 4K セクター ボリュームでの復元パフォーマンスが向上しました。
  • 統計の作成/更新における MAXDOP オプションのサポート: 今回の機能強化により、統計の CREATE/UPDATE ステートメントに MAXDOP オプションを指定できるようになりました。また、すべての種類のインデックスについて、作成または再構築の一部として統計が更新される場合に適切な MAXDOP 設定が使用されていることを確認できます (MAXDOP オプションが存在する場合)。
  • 増分統計の自動更新の改善: 特定のシナリオにおいて、テーブル内の複数のパーティションで多数のデータ変更が行われ、増分統計の変更カウンターの合計値が自動更新のしきい値を超えたものの、個々のパーティションでは自動更新のしきい値を超えていない場合に、テーブルに対してさらに多数の変更が加えられるまで統計の更新が遅延する可能性があります。この現象は、トレース フラグ 11024 で修正されました。

 

サポート性と診断の機能強化

  • sys.databases is_encrypted 列の更新により TempDB の暗号化状態を正確に反映: すべてのユーザー データベースの暗号化をオフにしてから SQL Server を再起動しても、sys.databases の is_encrypted 列の TempDB の値は 1 になります。この場合、TempDB の暗号化が解除されたため、本来であればこの値は 0 になるはずです。SQL Server 2014 SP3 より、sys.databases.is_encrypted に TempDB の暗号化状態が正確に反映されるようになりました。
  • 新しい DBCC CLONEDATABASE オプションを使用して検証済みクローンとバックアップを生成: SQL Server 2014 SP3 では、DBCC CLONEDATABASE の 2 つの新しいオプションを使用して、a) 検証済みクローンと b) バックアップ クローンを作成できます。WITH VERIFY_CLONEDB オプションを使用してクローン データベースを作成すると、一貫性のあるデータベース クローンが作成、検証されます。このクローンはマイクロソフトによってサポートされ、運用環境で使用できます。今回、クローンが検証済みであるかどうかを確認する新しいプロパティ、SELECT DATABASEPROPERTYEX(‘clone_database_name’, ‘IsVerifiedClone’) が導入されました。BACKUP_CLONEDB オプションを使用してクローンを作成すると、データ ファイルと同じフォルダーにバックアップが作成されます。これにより、クローンを別のサーバーに移動したり、Microsoft CSS に送信してトラブルシューティングを行ったりすることが容易になります。
  • TempDB のバージョン ストアの領域の使用率を監視する新しい DMV: この新しい DMV は、DBA が TempDB のバージョン ストアの使用率を監視する場合に便利です。パフォーマンスを犠牲にしたり、運用環境サーバーで実行する負担を発生させたりすることなく、データベースごとのバージョン ストアの使用率の要件に基づいて TempDB のサイジングをプロアクティブに計画することができます。
  • レプリケーション エージェントの完全なダンプのサポート: レプリケーション エージェントで処理不能な例外が発生した場合、既定では例外の症状のミニ ダンプが作成されます。これにより、処理不能な例外のトラブルシューティングが非常に困難になります。今回の変更により、レプリケーション エージェントの完全なダンプを作成できる新しいレジストリ キーが導入されます。
  • DBCC CLONEDATABASE での Service Broker のサポート: DBCC CLONEDATABASE コマンドの強化により、SSB オブジェクトのスクリプト作成が可能になりました。
  • XEvent の強化による可用性グループの読み取りルーティング エラーのサポート: XEvent の read_only_route_fail は現在、ルーティング リストが存在するものの、ルーティング リストに含まれるすべてのサーバーが接続できない場合にのみ発生します。今回の機能強化では、トラブルシューティングに役立つ詳細情報が追加されたほか、この XEvent が発生するコード ポイントが拡張されました。
  • トランザクション ログ情報を監視する新しい DMV: SQL Server 2014 SP3 では、sys.dm_db_log_stats と sys.dm_db_log_info という 2 つの新しいトランザクション ログ用の DMV が導入されました。これらの DMV を使用すると、トランザクション ログに関する潜在的な問題を監視、警告、回避することができます。
  • dm_db_log_stats: ログに関する概要レベルの情報を返します。
  • dm_db_log_info: DBCC LOGINFO と類似した VLF 情報を表示します。
  • sys.dm_os_sys_info DMV のプロセッサ情報: sys.dm_os_sys_info DMV に 3 つの新しい列が追加され、socket_count、cores_per_numa などのプロセッサ関連情報が表示されるようになりました。
  • sys.dm_db_file_space_usage のエクステントの変更情報: sys.dm_db_file_space_usage に新しい列が追加され、前回の完全バックアップ以降に変更されたエクステントの数を追跡できるようになりました。
  • ディストリビューション データベースへの適切な互換性レベルの設定: Service Pack のインストール後に、ディストリビューション データベースの互換性レベルが 90 に変更されます。これは、sp_vupgrade_replication ストアド プロシージャのコード パスが原因でした。今回、Service Pack が変更され、ディストリビューション データベースに適切な互換性レベルが設定されるようになりました。
  • 前回の正常な DBCC CHECKDB 情報を表示: プログラミングによって前回の正常な DBCC CHECKDB が実行された日付を返すことができる新しいデータベース オプションが追加されました。これにより、DATABASEPROPERTYEX([database], ‘lastgoodcheckdbtime’) というクエリを実行して、指定したデータベースで前回の正常な DBCC CHECKDB が実行された日付/時刻を表す単一の値を取得できるようになりました。
  • SQL Server 2014 SP3 の Deadlock Graph でデータベース名を表示
  • Showplan XML に新しい属性 EstimateRowsWithoutRowgoal を追加: クエリ オプティマイザーで “row goal” ロジックを使用している場合に使用できます。
  • 実際の Showplan XML の拡張により UdfCpuTime と UdfElapsedTime を追加: スカラー ユーザー定義関数の実行に要した時間を追跡できるようになりました。
  • 補助文字の照合順序を使用するデータベースでのレプリケーションのサポート: 補助文字の照合順序を使用するデータベースでレプリケーションがサポートされました。
  • 可用性グループのフェールオーバーにおける Service Broker の適切な処理: 現在の実装では、可用性グループ データベースに対して Service Broker が有効になっている場合、プライマリ レプリカで開始されたすべての Service Broker 接続が可用性グループのフェールオーバー中に開かれたままになります。今回の機能強化は、そのような可用性グループのフェールオーバー中に開かれている接続をすべて切断することを目的としています。
  • レプリケーション エージェントの一部のプロファイル パラメーターの動的な再読み込み: レプリケーション エージェントの現在の実装では、エージェントのプロファイル パラメーターを変更する場合にエージェントを停止してから再起動する必要があります。今回の機能強化により、レプリケーション エージェントを再起動することなく、パラメーターを動的に再読み込みできるようになりました。
  • メモリ許可/使用量の診断の改善: 新しい XEvent の query_memory_grant_usage を使用できます。
  • Showplan XML の診断の拡張: Showplan XML の拡張により、メモリ部分に関する情報が表示されるようになりました。これにより、入れ子になったループ結合、CPU 時間、経過時間を最適化できます。
  • sys.dm_sql_referenced_entities DMV に新しい列を追加: SQL Server 2008 と下位互換性のある try-catch シナリオを実行できるようになりました。

SQL Server 2014 SP3 には、SQL Server 2014 SP2 累積更新プログラム 13 (CU13) までの SQL Server 2014 の累積更新プログラムで提供されるソリューションが含まれています。

このサービス パックは、Microsoft ダウンロード センターから入手できるほか、Microsoft Update カタログ、MSDN、Evaluation Center、MBS/PartnerSource、VLSC からもダウンロードできます。お客様に優れたソフトウェアを提供するための継続的な取り組みの一環として、今回のアップグレードは SQL Server 2014 を既にデプロイしているすべてのお客様にご利用いただけます。

 

SQL Server 2014 SP3 を入手するには、以下のリンクをご利用ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
Microsoft SQL Server エンジニアリング チーム

 


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