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Outlook で既定のフォントを変更する方法

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こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポートチームです。

Outlook  2016 からメールを作成する際の既定のフォントが游ゴシックに変更されたため、初期値のみを以前のバージョンと同じフォントに変更したいというお問い合わせをいただくことが多くありましたので、本ブログではその方法についてご紹介いたします。

 

(1) Outlook の既定のフォントの設定場所と設定値の保存場所

Outlook の既定のフォントの設定は、 [署名とひな形] ダイアログで設定可能です。

本 UI から設定した情報は以下の「レジストリ」に保持されます。

 

Outlook UI の設定箇所

  1. [Outlook]の[ファイル] タブをクリックし、[オプション] をクリックて [Outlook オプション] ダイアログを表示します。
  2. [Outlook オプション] ダイアログの画面左側で [メール] をクリックし、画面右側で [ひな形およびフォント] をクリックします。
  3. [署名とひな形] ダイアログの [ひな形] タブをクリックします。

fontsettingsUI

■レジストリ

[ひな形] タブの以下のそれぞれで開いたダイアログの [フォント] タブで設定した "フォントの種類" "サイズ" "色" などが 2  つのレジストリ値に保持されます。

 

a.[新しいメッセージ] の [文字書式]をクリックして開いたダイアログ

b.[返信/転送メッセージ] の [文字書式]をクリックして開いたダイアログ

c.[テキスト形式のメッセージの作成と読み込み] の [文字書式]をクリックして開いたダイアログ

 

レジストリキー:

HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftOffice16.0CommonMailSettings

 

値の名前 :

a.[新しいメッセージ] の [文字書式]

ComposeFontComplex

ComposeFontSimple

 

b.[返信/転送メッセージ] の [文字書式]

ReplyFontComplex

ReplyFontSimple

 

c.[テキスト形式のメッセージの作成と読み込み] の [文字書式]

TextFontComplex

TextFontSimple

 

値の種類 : REG_BINARY

値 : UI から指定した設定が値として保持されます。

 

(2) 既定として設定したいフォントの準備

まずは、実際に既定のフォントとして展開したいフォント情報がどのようなレジストリ値で保持されるかを Outlook がインストールされている端末で確認します。

 

Outlook クライアントでの作業 (レジストリの確認)

  1. Outlook 2016 を起動し、 [ファイル] タブ-[オプション]-[メール]-[ひな形およびフォント] ダイアログで、「日本語用のフォント」と「英数字用のフォント」のフォントの種類、サイズ、色などを設定し、ダイアログを閉じます。
  2. Outlook を終了します。
  3. OS の [ここに入力して検索] で regedit と入力し、レジストリ エディターを起動します。
  4. HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftOffice16.0CommonMailSettingsに移動し、フォント設定の情報が保持されている MailSettings 上を右クリックし、[エクスポート] をクリックして任意の場所に .reg としてエクスポートします。
  5. エクスポートしたフォント設定のレジストリ情報は、(3) のグループ ポリシーで展開する際に参照します。

 

■エクスポートしたフォントレジストリのサンプル

エクスポートしたレジストリファイルでは、値の情報として “ hex:”、カンマ、円マーク、スペースなどが含まれていますが、グループ ポリシーのレジストリ配布機能で展開する場合、それらの文字列を除いた値を指定する必要があります。

fontreg

 

(3) レジストリを グループ ポリシー (GPO) で展開する方法

Active Directoryグループ ポリシーのレジストリの配布機能でクライアント端末に展開することが可能です。

 

■ フォントのレジストリの配布手順

  1. DC サーバーでグループ ポリシー管理エディターを起動します。
  2. [ユーザーの構成]-[基本設定]-[Windows の設定]-[レジストリ] を選択します。
  3. 同コンソールの [操作(A)]-[新規作成(N)]-[レジストリ項目] メニューを実行します。
  4. [新しいレジストリのプロパティ] ダイアログの [全般] タブにおいて、各項目の値を以下の様に選択、あるいは入力します。
    以下は a.[新しいメッセージ] の [文字書式] の [日本語用フォント] を設定するレジストリ例です。アクション: 更新
    ハイブ: HKEY_CURRENT_USER (既定のまま)
    キーのパス: SoftwareMicrosoftOffice16.0CommonMailSettings (レジストリパスを直接入力します)
    値の名前: ComposeFontComplex
    値の種類: REG_BINARY
    値:  以下のような値で指定します。
    3c68746d6c3e0d0a0d0a3c686561643e0d0a3c7374796c653e0d0a0d0a202f2a205374796c6520446566696e6974696f6e73202a2f0d0a207370616e2e610d0a097b6d736f2d7374796c652d6e616d653a5c373245435c383145415c333036455c344635435c363231305c333042395c333042465c333041345c333045423b0d0a096d736f2d7374796c652d747970653a706572736f6e616c2d636f6d706f73653b0d0a096d736f2d7374796c652d6e6f73686f773a7965733b0d0a096d736f2d7374796c652d756e686964653a6e6f3b0d0a096d736f2d616e73692d666f6e742d73697a653a31302e3070743b0d0a096d736f2d626964692d666f6e742d73697a653a31312e3070743b0d0a09666f6e742d66616d696c793a22417269616c222c73616e732d73657269663b0d0a096d736f2d61736369692d666f6e742d66616d696c793a417269616c3b0d0a096d736f2d666172656173742d666f6e742d66616d696c793a224d5320476f74686963223b0d0a096d736f2d68616e73692d666f6e742d66616d696c793a417269616c3b0d0a096d736f2d626964692d666f6e742d66616d696c793a2254696d6573204e657720526f6d616e223b0d0a096d736f2d626964692d7468656d652d666f6e743a6d696e6f722d626964693b0d0a09636f6c6f723a77696e646f77746578743b7d0d0a2d2d3e0d0a3c2f7374796c653e0d0a3c2f686561643e0d0a0d0a3c2f68746d6c3e0d0a
    ※ここで指定する値は (2) の「 既定として設定したいフォントの準備」でエクスポートしたレジストリの値を元に設定してください。
    エクスポートしたレジストリファイルには、上述のスクリーンショットのように値の情報として含まれている “ hex:”、カンマ、円マーク、スペースなどがありますが、それらを除いて指定する必要があります
  5. [共通] タブで “1 度だけ適用し、再適用しない” のチェックをオンにします。
    ※ 1  度だけ適用にすることで、初期値だけ共通のフォントとして展開でき、その後各ユーザーが Outlook の UI から任意にフォントを変更した場合、ユーザーが設定したフォントが使用できる動作となります。本設定を指定しない場合は、GPO がクライアント端末に適用されるたびに、GPO で展開したフォント設定に戻ります。
  6. 設定が終了したら [OK] で終了します。
  7. 手順を繰り返し、既定のフォントとして展開したい以下の各レジストリを必要に応じて合計 6 個設定します。

    - フォント設定のレジストリ
    a.[新しいメッセージ] の [文字書式]
    ComposeFontComplex
    ComposeFontSimple
    b.[返信/転送メッセージ] の [文字書式]
    ReplyFontComplex
    ReplyFontSimple
    c.[テキスト形式のメッセージの作成と読み込み] の [文字書式]
    TextFontComplex
    TextFontSimple

以上が、既に Outlook を一度は起動したことがある端末に配布する場合の手順です。
Outlook を一度も起動したことのない端末にも初期フォントの設定を展開する必要がある場合には、フォントのレジストリと同様の手順で以下のレジストリも一緒に配布してください。

■ Outlook を一度も起動したことがないユーザーにも設定を反映させるためのレジストリ

ご使用の Office にあわせて以下の A または B を設定してください。両方のレジストリを配布しても問題はありません。

 

A.Office 2016 の MSI 版をご利用の場合

レジストリキー: HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftOffice16.0CommonLanguageResources

値の名前: OutlookChangeInstallLanguage

値の種類: REG_SZ

値:YES

※本来クイック実行版ではこのレジストリの配布は必須ではございませんが、Office のインストール言語 (言語パックなどのインストール) によっては本レジストリが「値 No」で存在する場合があります。

その場合は Yes に変更する必要がありますので、レジストリが存在するか事前にご確認ください。

 

B.Office 2016 クイック実行版 (C2R) 版をご利用の場合

レジストリキー : HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftOffice16.0CommonLanguageResources

値の名前 : LangTuneUp

値の種類 : REG_SZ

値 : OfficeCompleted

 

(4) その他情報

  • Office グループ ポリシー管理者用テンプレートでは Outlook の既定のフォント設定を制御するためのテンプレートは提供しておりません。本ブログにあるレジストリを配布する方法で展開をご検討ください。
  • 以下にご参考情報として Outlook 2013 の既定のフォント設定を記載しました。
    a.[新しいメッセージ]
    日本語用のフォント - MS ゴシック (MS Gothic)
    英数字用のフォント - Arial
    サイズ - 10
    b.[返信/転送メッセージ]
    日本語用のフォント - MS ゴシック (MS Gothic)
    英数字用のフォント - Arial
    サイズ - 10
    c.[テキスト形式のメッセージの作成と読み込み]
    日本語用のフォント - MS ゴシック (MS Gothic)
    英数字用のフォント - (日本語用と同じフォント)
    サイズ - 10

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