こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。
フル アクセス許可の権限を持つユーザーの Outlook プロファイルに自動マッピングで追加されたメールボックス (共有メールボックスやユーザー メールボックス、リソース メールボックスなど) 上で、秘密度が [親展] に設定されたメールを受信すると、ユーザーは Outlook からこのメールを参照できません。
これは想定された動作です。
なお、自動マッピングが無効で、該当メールボックスを追加のアカウントとして追加した場合、本事象は発生しません。
秘密度が [親展] のメールは特殊なアクセス権 (非公開フラグ) により管理されており、追加のメールボックスと呼ばれる機能と同等の自動マッピングでは追加の設定を行わない限り参照ができない動作となります。 Outlook でフル アクセス許可の権限を持つユーザーが該当メールボックス上で [親展] のメールを参照するには、以下の方法があります。
- Outlook on the Web をご利用する方法
- 自動マッピングを無効にし、Outlook にて該当メールボックスを追加のアカウントとして追加する方法
- Outlook にて [ユーザーへ非公開アイテムのアクセス権] を付与する方法 (自動マッピング有効のまま)
※ Exchange Online のご利用環境の場合、Outlook on the Web かコマンドで設定する方法もありますので、補足の部分をご参照ください。
本ブログでは、上記の 3 番の方法をそれぞれご紹介します。
■ Outlook にて [ユーザーへ非公開アイテムのアクセス権] を付与する方法
- 手順
以下の手順は管理者側で行います。
※共有メールボックスにフルアクセス権を持つ管理者が行う必要があります。
A. 管理用に、フルアクセス権を持つ該当メールボックスのプロファイルを作成します。
1. [コントロール パネル]-[ユーザー アカウント]-[メール] を開き、[プロファイルの表示] をクリックします。
2. [追加] をクリックし、任意のプロファイル名を入力して [OK] をクリックします。(「Outlook の Office 365 への接続」画面が表示されたら、右下の [別のアカウントに接続] をクリックします。)
3. [電子メール アドレス] に該当メールボックスのメールアドレスを入力します (ドメイン参加端末の場合、自分のメールアドレスが入力されるため変更します)。
4. [パスワード] と [パスワードの確認入力] には何も入力せずに [次へ] をクリックし、認証画面が出たら表示されている該当メールボックスのメールアドレスを削除し、フルアクセス権を持つ自分の ID・パスワードを入力します。
5. [完了] をクリックします。
B. Outlook から代理人設定による非公開アイテムのアクセス権を付与します。
- 上記で作成したプロファイルで Outlook を起動します。[ファイル]-[アカウント設定]-[代理人アクセス] をクリックし、[追加] ボタンから非公開アイテムを見せたいユーザー (フルアクセス権を持っているユーザー) を追加します。
2. すべての項目を [なし] に指定します。
3. [代理人に非公開に設定したアイテムへのアクセスを許可する] をオンにします。
4. [OK] をクリックし、[OK] をクリックします。
■ 補足
Exchange Online 環境をご利用できる場合、以下の方法でも [ユーザーへ非公開アイテムのアクセス権] を付与できます。
A. Outlook on the Web にて付与する方法 (Exchange Online 環境のみ)
B. コマンドで付与する方法 (Exchange Online 環境のみ)
A. Outlook on the Web にて付与する方法
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- 手順
- Outlook on the Web にてフル アクセス権限を持つユーザーでログインします。
- 右上の [マイ アカウント] より [他のメールボックスを開く] をクリックします。
- 該当のメールボックスを選択し、別のタブで開きます。
- 予定表フォルダーにて [予定表]-[共有アクセス許可] をクリックします。
- [共有への招待をメールで送信します] よりフル アクセス権限を持つユーザーを選択します。
- [代理人] を選択し、[代理人による非公開の予定の表示を許可します] をチェック オンします。
- [共有] をクリックします。
※ 上記の操作完了後、フル アクセス権限を持つユーザーに予定表共有のメールが送付されます。
B. コマンドで付与する方法
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- 手順
1. Windows Powershell から Exchange Online に接続します。
Title: リモート PowerShell による Exchange への接続
URL: http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj984289(v=exchg.150).aspx
2. 以下のコマンドを実行します。
例 :
Add-MailboxFolderPermission -Identity "shared1:予定表" -User user1@test.com -AccessRights Editor -SharingPermissionFlags Delegate,CanViewPrivateItems
- 参考情報
Title: Add-MailboxFolderPermission
Title: Set-MailboxFolderPermission
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