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Click-to-Run

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Posted by Gray Knowlton
8 月 27 日

エディターズ ノートPaul Barr は、Click to Run 担当の Lead Program Manager であり、この重要な技術についてお話しするために Office Next に参加しました。先にこのブログで Click to Runのさまざまな面の概要を説明しましたが、今日はこれらをより詳しく説明します。

皆さんが新しくなった Office カスタマー プレビューを既にダウンロード済みであれば、以前のバージョンの Office とはインストール エクスペリエンスが少し異なっていたことに気付かれたと思います。この記事では、私たちがクライアントへの配布機能の開発を重視する理由、私たちが行ったこと、その方法、それがユーザーの皆さんの新しい Office とのやり取りにおいてどのような意味を持つかについてお話ししたいと思います。

 

ソフトウェアの特性の変化

この 5 年間で、ユーザーがソフトウェアに期待するものが劇的に変化しました。さまざまな Web ベースのアプリケーションやサービス、および最新のデバイスで動作する新たなアプリケーションモデルの登場により、ユーザーが期待するソフトウェアとのやり取りの方式が変化しました。携帯電話への新しいアプリの導入は、手早く実行できて面倒がありません。これと同様のことが、インターネットブラウザーからさまざまな Web アプリケーションにアクセスする場合にも当てはまります。

私たちは、ユーザーが選んだハードウェアの独自の機能を引き出すよう開発された Office アプリケーションには、(デスクトップ PC、ノートブックコンピューター、タブレット、モバイル デバイスを問わず) 非常に大きな価値があると信じています。新しい Office における Click-to-Run の目標は、新しい Office アプリケーションを探し出し、インストールし、使用することを、可能な限り迅速かつ容易に、そして安全に行えるようにすることです。

 

Office のインストールの大まかな歴史

Office は 90 年代初めに登場し、以来大きな発展を遂げてきました。この間、私たちはメディア技術とインストール技術の両方で大きな変化を目にしてきました。かつて Office の出荷はフロッピー ディスク数枚で十分であり、インストールもファイル システムにバイナリーをいくつかコピーするだけで済みました。しかし、内容が増え、アプリケーションの機能が向上し、ユーザーの生産性に関わる他のソフトウェアとの統合が進むに連れて、Office は進化する必要が生じました。そしてインストールの規模も大きくなって、洗練されたものとなっていき、基本的なファイル コピー方式から、インストールの自動化を柔軟に行える ACME インストールへと移行しました。Office 2000 では Windows インストーラーが登場し、高度なコンポーネントの共存を制御できるようになり、アンインストールや修復の機能も従来より使いやすくなりました。Office 2007 と 2010 では、「Catalyst」インストールテクノロジーによるマルチ MSI インストールに対応し、
複数言語、複数製品の導入に対する機能も向上しました。

フロッピー ディスクで販売された最後のバージョンは Office 97 です (45 枚組!)。その後、間もなく CD-ROM に移行しました。その後は DVD でした。しかしこの頃になって、ソフトウェアの主な入手手段としてインターネットが急速に広まり、従来のインストール技術ではインターネットでの優れたユーザー向けツールとはなり得ないことがわかってきました。

そして実際の店舗へ足を運ぶことが、新しいソフトウェアを入手する上での大きな障害となりつつあります。それだけでなく、私たちは、「ソフトウェアの入手」についてユーザーをあれこれと悩ませるべきとは考えていません。ユーザーが自分の仕事の遂行にソフトウェアを必要とするときには、単に適切なものを入手するだけでなく、デバイスに合ったものが必要になります。Click-to-Run と Office on Demand は、このための機能です。

 

Click-to-Run v1.0

Office 2010 では、Office をインターネットからダウンロードする仕組みを改善しました。従来からの Windows インストーラーのパッケージも残す一方で、一部のマーケットのコンシューマー向け SKU 限定で Click-to-Run v1.0 を使用できるようにしました。これは大規模なアプリケーションをインターネットからインストールするために設計した技術を実装する最初の試みであり、私たちはここから多くのことを学びました。

  • スピードの必要性: Office アプリケーションが起動して使えるようになるまでの時間が短いほど、ユーザーの満足度も高まります。
  • 最新がベスト: 古いソフトウェアをダウンロードしてはなりません。最新のアプリケーションをインターネットから入手するとき、最初にすることがアップデートのインストールであってはなりません。
  • バランス: マシン上に既にインストールされている他のソフトウェアの動作が Office によって妨げられてはなりません。また、Office はアドインや他のアプリケーションと一緒に正しく動作する必要があります。

C2R v1.0 は新しいインストール技術の必要性を証明するのに貢献しましたが、改善の余地が大いにありました。

  • 処理はさらに高速化できます。
  • 私たちが秘密裡に使用していた技術は、他への影響が大きすぎました。これにはローカル ファイル システムのドライバーが必要で、システム上に新規の仮想パーティション (評判の悪い Q: ドライブ) を作成していたため、一部のユーザーで問題が発生していました。
  • 仮想化の副作用として実行時のパフォーマンスに若干の影響が生じ、アプリの起動 (特に初回) がわずかに遅くなっていました。
  • 他のソフトウェアとの統合は、場合によっては従来のインストール技術よりも劣ることがあり、互換性が損なわれることもありました。

そして、これらの反省点を以下に反映させました。

 

Click-to-Run v2.0

Click-to-Run v2.0 の目標は、アプリケーションをシームレスに感じられるようにして、新しい Office サービスの一部と統合することでした。私たちは、ユーザーのワークフローにおいてインストール ソフトウェアを非イベント化することに取り組みました。そして v1.0 の経験から、次の改善点を洗い出しました。

  1. 高速化
  2. 統合: Office アプリケーションは生産性の高いプラットフォームであり、その利点には機能が豊富なこと、統合されていること、拡張性の高いことが挙げられます。
  3. 常に最新であること: ソフトウェアをインストールした後、これを PC を交換するときまで忘れていられたのは昔のことになりました。単にソフトウェアを安定的に維持するだけでなく、Office サービスによってオンラインで提供される新しい機能に対応できるよう、クライアントを進化させる必要性も生じています。
  4. 機敏であること: 機能の豊富なクライアント アプリケーションが唯一の手段であった時代もありましたが、今ではフル インストールが常に唯一の選択肢であることはくなりました。私たちは Web アプリケーションの機動性と、インストールされた Office アプリケーションの機能の豊富さをユーザーに提供したいと考えました。

私たちはこれらの目標を念頭に置き、ケンブリッジにある NERD 開発センターApp-V パートナー チームのサポートを受けて、Click-to-Run v2.0 の開発に着手し、共通のビジョンを達成するために根本から設計を見直しました。

 

Click-to-Run v2.0:エクスペリエンス

それでは、Click-to-Run のインストールエクスペリエンスを見ながら、各ステップで何が行われるかについて説明していきましょう。

まず、互換性の理由から、32 ビット版が推奨されています。64 ビット版のオペレーティング システムの場合にも 32 ビット版を推奨します。さらに、1 台のマシンには、32 ビット版または 64 ビット版のいずれかの Office 製品しかインストールできないことにも注意してください。32 ビット版と 64 ビット版の製品を混在させることはできません。バージョンが異なっても混在させることはできません (Office 2007 Office 2013 など)これは Office のインストールすべてに該当します (C2R および MSI)。これはアプリケーション間の統合の仕組みによる制限事項です。

次に、この Web サイトは Click-to-Run Setup Service および Office Licensing Service と通信して、カスタマイズされたエクスペリエンスを表示します。このページでは、25 桁のライセンスキーをメモせずに (覚えられますか?) ソフトウェアを入手および実行できます。これらはすべてバックグラウンドでシームレスに行われます。

 

次に、Click-to-Run のストリーミングスプラッシュ スクリーンが表示されます。

ここで実際にダウンロードされるのは、「最初の実行エクスペリエンス (略して FRE)」を実行するために必要な Office の一部と「Hero」アプリケーションだけです。Hero アプリケーションとは、ユーザーが Office をインストールするときに最初に実行される Office アプリケーションです。カスタマープレビュー版の場合、このアプリケーションは PowerPoint です。

次に、最初の実行エクスペリエンスの動画と他の内容が表示されます。

この後に次のような画面が表示されます。

 

ここでは、Office のダウンロードの全体の進行状況が表示されます。この時点で、すべての Office アプリケーションを使用できますが、すべての製品のダウンロードが完了した訳ではないので、オフラインにはしないでください。Office の機能は必要と思われる順序でダウンロードされるようになっています。

まだダウンロードされていない機能を使用しようとすると、このような UI が表示されます。これは、そのパートの Office に対して一度だけ表示されます。そしてダウンロードが完了すると、表示されなくなります。ネットワーク接続が高速の場合には、この UI が表示されない場合もあります。また接続速度が遅いと、ダウンロード中にアプリを実行しようとしたときに何度も表示される場合があります。

Office のダウンロードが完了すると、[準備が整いました。] というダイアログ ボックスが表示されます。これは Office のダウンロードとインストールが完了したことのサインであるため、以降はオフライン状態になっても大丈夫です。

このダイアログ ボックスが表示されるまでの間、Office の機能に若干の不整合が生じることについてお話ししましょう。たとえば、Office と一緒に入手できるフォントをすべて使用できない場合があります。また、「印刷: OneNote に送る」など、一部の統合機能がまだインストールされていない場合があります。これは、フォントのファイルは非常に大きく、またシステム統合機能はインストールに時間がかかるため、このような機能はインストールの最後の方に回して、より早く実行できるようにしているためです。

以上で、Click-to-Run のエクスペリエンスの説明は終わりです。従来のいずれの Office リリースよりも高速で、スムーズで、進行が早くなっています。初期のデータからは、Click-to-Run v2.0 によるインストールは、Windows インストーラーのパッケージよりも高速に処理できることがわかっています。また、インストールエクスペリエンスが今までで最高のものになるよう、できることはすべて行っています。

 

さらなる利点

最初の実行エクスペリエンスは終了しましたが、これが Click-to-Run の機能の終わりではありません。ここでは、私たちの新しいアーキテクチャーによってソフトウェアの世界が変わった分野についてご説明します。

  • 並行サポート: 生産性向上のためのツールに変化を起こすのは、いつも容易ではありません。皆さんが最新バージョンを必要とするのは、今までにはない操作シナリオが使用できるようになるからだと思います。しかしその移行の間、古いバージョンをしばらく保持しておけたら便利ではありませんか。C2R v2.0 では、これを行うことができます。C2R v2.0 では、デフォルトで古い Office ソフトウェアを残した状態でインストールを行うため、Outlook の異なる 2 つのバージョンを使用することもできるようになりました。これは今までにないことです。
  • 修復: 何事も完璧ということはありません。物事がうまくいかない場合もあります。別のソフトウェアをインストールしてしまい、Word の文書が突然見知らぬプログラムによって開かれてしまうこともあり得ます。このような場合に備えて、修復機能を用意しています。C2R v2.0 を使用すると、ショートカットやファイル タイプの登録だけを修復することができます (「クイック修復」)。また、設定や文書を失うことなく (迅速かつシームレスに) アプリケーションを根本的にアンインストールしてから再インストールする「完全修復」を実行することもできます。これらのオプションは、いずれも Windows の「プログラムと機能」にあります。
  • アンインストール: アンインストールは数分ではなく数秒で行えるようになり、コンピューターはこれまでよりもクリーンアップされた状態になります。今後使用しないライセンスを無効にして、新しいマシン上で再利用することもできます。
  • 維持: 維持とは、ソフトウェアを最新版に維持することを意味する用語であり、現在のコンピューターのエコシステムでは今までになく重要になっています。C2R v2.0 では、可能な限り安全に、メッセージなしで自動的に維持できるようにしています。一度これを選択すると、Office がインターネットでアップデートを安全にチェックするようになります。ダウンロードはバックグラウンドで実行され、その後すべてのアプリケーションやコンピューターを再起動したときには、最新かつ最高のバージョンが実行されます。C2R v2.0 では、その優れた操作性に加えて、維持に関する次の 3 つの問題を解決しました。まず、古いソフトウェアは起動されなくなります。Click-to-Run インストールを開始したときには、アプリケーションの最新バージョンを入手できます。ダウンロード、抽出、インストールを実行して、その後何度もパッチを適用する必要はなくなります。アップデートは 1 回だけで済みます。以前は、個々のパッチを次から次へとダウンロードする必要がありました。そして、適切な Service Pack または他のアップデートを先にインストールしていないと、目的のパッチがインストールされない場合もありました。C2R v2.0 では、あるソフトウェアをダウンロードするだけで、常にその最新バージョンが取り込まれるようになります。これは「差分アップデート」という技術を開発したことによるものです。この技術では最新のハッシュ ファイルを使用して、1 回のステップであらゆるビルドから最新版へ直接移行することができます。長い間オフライン状態になっていた場合でも、最新版を迅速かつ容易に入手することができます。
  • 組織向けの Click-to-Run: 最後に、C2R v2.0 はエンドユーザー向けだけではないことについてお話しします。私たちは、あらゆる規模の組織において展開の自動化を支援する管理機能を多数開発しました。これらの機能については、ここ(英語)でご覧いただけます。

 

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。私たちは、Click-to-Run によって機能が強化された次世代の Office アプリケーションとサービスを皆さんに提供できるのを大変嬉しく思っています。私たちにはまだすることがたくさんあり、皆さんからのフィードバックをいただくことを楽しみにしています。インストールの際に顔文字をクリックしていただけば、皆さんからコメントをいただくことができます。

Paul C. Barr
Click-to-Run 担当 Lead Program Manager


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