(この記事は 2017 年 4 月 24 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 Blockchain: A Solution That’s Changing How People Do Business の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)
パートナー様が手掛けるビジネスや業界、そしてパートナー様ご自身にも大きなインパクトを与えるであろう新しいテクノロジを 1 つ挙げるなら、ブロックチェーンがぴったりでしょう。
ブロックチェーンとは、暗号化によって安全性が確保された分散共有型の台帳です。従来の中央集中型のシステムとは基本的なプロセスやモデルが異なり、次のようなメリットがあります。
マイクロソフトでは、Azure Marketplace で新たにブロックチェーンをサポートすることで、パートナー様にこの新たなテクノロジをご活用いただけるようにすると共に、パートナー様のビジネスや顧客サービスのアプローチを変革するためのお手伝いができればと考えています。
ブロックチェーンの基本
ブロックチェーンは、企業、業界、公的組織がほぼリアルタイムに取引を行い、検証できる新たな方法です。ビジネス プロセスの効率化、コストの節減、不正リスクの軽減といったメリットがあります。基本的には、デジタルの取引台帳を作成するためのデータ構造であり、特定のプロバイダーに台帳の管理を一任するのではなく、分散されたコンピューター ネットワークで共有します。
ブロックチェーンを活用すれば、さらにオープンで透明性が高く公的に検証可能なシステムを構築できます。これにより、業界の枠を越えた価値や資産の取引、契約の履行やデータ共有に対する考え方が根本から覆されることになるでしょう。
Azure の Blockchain as a Service
Blockchain as a Service (BaaS) は、各企業が連携して新しいビジネス プロセスを試せるように、高速・低コスト・低リスクのフェイルファストのためのプラットフォームを提供します。このサービスは、業界最大のコンプライアンス ポートフォリオを備えたクラウド プラットフォームによって支えられています。
マイクロソフトは、Azure のブロックチェーン サポートを強化することを先ごろ発表 (英語) しました。これにより Azure は、複数の企業間でブロックチェーン ネットワークを構築できる初のパブリック クラウドとなります。このサポート強化の目的は、複数の Azure リージョン、サブスクリプション、Azure Active Directory (Azure AD) テナントをまたいでプライベート ネットワークを展開する必要がある大規模企業のシナリオに対応することです。組織間でインフラストラクチャやネットワークを構築・設定するには時間がかかりますが、マイクロソフトは最初に発表したブロックチェーン ソリューションと同様に、こうした煩雑な作業を自動化することで、パートナーの皆様がコンソーシアムや運用パイロットの構築に専念できるようにしています。
ブロックチェーンの今後
ブロックチェーンを活用すれば、難しいビジネス課題を解決する新たなソリューションを構築できるようになります。金融業界で担保管理やクラウドファンディングに利用したり、医療業界で処方箋の共有や DNA 配列の解読に活用したり、さまざまな用途が考えられます。現に世界経済フォーラムのレポート (英語) によれば、2025 年までに全世界の GDP の 10% がブロックチェーンまたはブロックチェーン関連のテクノロジ上に保管されるようになる見込みです。
ここからは、どのようなブロックチェーンの活用方法があるのか、業界別にご紹介したいと思います。
金融: コストのかかる従来のワークフローを見直して、流動性を高め、資本を解放します。インフラストラクチャへのコストを削減し、透明性を高め、不正のリスクを軽減して、取引や決算のスピードアップを図ります。
医療: 患者の記録を病院や会計部門に直接つないで、医療情報のやり取りなどに関する第三者の検証を省きます。複数の医療機関や地域において、安全性の高い認証方法で個人の医療記録にすばやくアクセスできるようにします。
行政: 支出の透明性と追跡可能性を高めます。車両などの資産登録を追跡できるようにします。また、不正のリスクや運用コストを低減します。
小売および製造: サプライ チェーン管理、スマート コントラクト用プラットフォーム、デジタル通貨を強化し、より強固なサイバーセキュリティを可能にします。
ブロックチェーンの活用にご興味がおありでしたら、以下のステップでお試しいただけます。
- Azure アカウントにサインアップします。
- Azure でブロックチェーン (英語) をセットアップして、テンプレートを使ってみます。
- ブロックチェーン アドバイザリーの Yammer グループ (英語) に参加します。
- 使えそうだと判断できたら、ラボを作成します。
皆様はこれまでブロックチェーンをどのように利用してこられましたか。また、今後どのように利用したいとお考えでしょうか。ぜひご意見をお寄せください。