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人工知能について誤解していませんか【5/6 更新】

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(この記事は 2017 年 3 月17 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 Myth-Busting Artificial Intelligence の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)

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人工知能 (AI) がテクノロジ業界を (そして他の業界も) まるごとひっくり返そうとしています。これはただごとではありません。進化し続ける AI の最新情報はたびたび大きく取り上げられ、人々の議論を呼び、エンターテイメントの題材にもなっています。これこそまさに SF の世界です。しかし、AI については勘違いされている点も多く、その誤解を正さなくてはなりません。これについて先日、AI に詳しい Geoff Colon (マイクロソフトの一員であり、『Disruptive Marketing (英語)』の著者でもあります) に話を聞きました。

 

AI につきまとう迷信

私たち人間は、機械を設計して製造するようになってからずっと「もしもこの機械が人間を出し抜くようになったらどうしよう」という不安を抱えています。その不安から、AI の制御に関してだれもが知っている迷信 (英語) がささやかれるようになりました。人間の脳を模して作られた機械は、人間と違って倫理観や身体的な制約に縛られないので、必ずや暴走するというのです。こうした誤解が生まれるのは、メディアが AI についてセンセーショナルに取り上げるせいもありますが、何よりも AI テクノロジの種類や用途について正しく理解されていないことが原因ではないでしょうか。現在最も普及している AI 機能がどんな用途に利用されているかと言うと、なんと 70% が天気予報のチェック (英語) だそうです。

Geoff によると AI は 3 種類に分類できます。AI の制御について理解するには、映画で描かれる AI 像よりも、この分類を理解する方がはるかに役立ちます。

 

3 種類の AI

 

タイプ 1: 強い AI

「強い AI」とはカリフォルニア大学バークレー校の哲学者ジョン・サール教授 (英語) が 80 年代初期に提唱した言葉で、映画や SF でお馴染みの AI はこのタイプです。人間と同じように意思を持ち、単にシミュレーションをするのではなく自我を持って意思決定する機械のことを指します。しかし Geoff は、このタイプには大きな問題点があると指摘しています。と言うのも、そもそも人間の脳のしくみがまだ完全には解明されていないのに、今そんな機械の開発を目指したところで、アリに近いレベルのごく単純な人工脳しか作れないはずなのです。

 

タイプ 2: 応用 AI

現在最も普及しているのがこの応用 AI です。バーチャルのパーソナル アシスタント (Cortana など) に使用されており、ユーザーの指示や過去のリクエストから情報を取り入れます。Geoff いわく、応用 AI は「もしこうならば、結果はこうなる」という考え方をします。医療用ソフトウェア (英語) や財務用ソフトウェアに多く見られ、大量のデータを処理してユーザーが利用できるようにしています。

「多くの人が応用 AI によって職を奪われることを恐れています。しかし、応用 AI を正しく活用すれば、その業界に発展をもたらし、業務全体の効率を向上することができるはずです」

– マイクロソフト、Geoff Colon

 

タイプ 3: 認知シミュレーション

認知シミュレーションは、主に顔認識テクノロジや画像認識システムに使用されています。これは象徴的な AI であり、認知科学やオペレーションズ リサーチ (最善の意思決定を科学的に導き出す手法)、経営科学などに基づいて、人間が問題解決のために使用している手法を模倣するものです。Geoff は、このタイプで重要な課題となっているのは、機械に文脈を理解させることだと述べています。特定の状況で記号や顔を認識できても、別のときには完全に間違って分類してしまうことがあるのです。

 

 

AI の活用

Geoff によれば、AI の影響を最も強く受けているのは、知識経済の世界です。「なぜこの分野で AI が最も大きな影響を及ぼしているかと言うと、これまで 300 人の弁護士で分析していたような大量の情報であっても、AI を活用すれば数時間、場合によっては数分で片付いてしまうからです」と話しています。Geoff は、法曹界や財務分野、医療分野、自身が専門とするマーケティング分野にも、AI が大きな変化をもたらすと考えています。

さらに製品開発の現場でも、AI を活用することで、品質向上に向けて速いペースで顧客のフィードバックを分析し、顧客が期待しているような製品になっているかどうか確認しながら開発を進められます。

「AI のおかげで、企業はお客様の意見を取り入れながらの製品開発プロセスを実現できます。実際にマイクロソフトでも、市場投入までの開発期間が大幅に短縮され、開発の取捨選択において的確な意思決定を下せるようになりました」

– マイクロソフト、Geoff Colon

 

パートナーの皆様にぜひ注目していただきたいのは、お客様が情報を扱う方法が AI によってどのように変わるかという点です。「今後 AI はお客様に関する疑問にすばやく答えてくれるだけでなく、その情報をどんどん蓄積していくでしょう」と Geoff は述べています。Geoff が特に期待を寄せるのは、音声検索です。現在の市場シェアは 5% ですが 2020 年には 50% (英語) に拡大することが見込まれます。音声検索システムの大半は、ユーザーがデバイスに向かって発した言葉に基づいて情報を検索するものです。音声検索の分野にどのような一石を投じればよいかがわかれば、これからさらに AI とモバイルが浸透していく中で、成功を収める大きな秘訣となるでしょう。

 

このビジネス チャンスをつかむために、どのように AI を活用しようとお考えですか。ぜひ皆様のご意見をお聞かせください。

 

 

 

 


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