こんにちは、プロダクティビティ担当の秋本です。
先日、SharePoint Online の新しいライブラリおよびリストから Microsoft Flow のフローが作成可能な機能が先行リリース環境に提供開始されたことがアナウンスされました。
Title: Microsoft Flow の SharePoint ドキュメント ライブラリへの統合を発表
URL: https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2017/03/14/announcing-microsoft-flow-integration-for-sharepoint-document/
Title: SharePoint のリスト アイテムとドキュメントに対してオンデマンドでフローを実行
URL: https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2017/03/16/flow-on-demand-for-sharepoint-list-items-and-documents/
この機能は、Office 365 Roadmap にて「Flow Integration for Document Libraries」として記載されているものです。
URL: https://products.office.com/en-us/business/office-365-roadmap?featureid=75043
これによって、SharePoint を中心としたビジネス プロセスの効率化・自動化が更に進みますが、今回は、これまで長年愛されてきた (?) SharePoint の「通知」機能における以下のような使いにくい点を解決してみましょう。
- 条件指定ができない : “タイトル” 列に「重要」と記載されていたら、などの条件指定が難しいため、通知のメールの量が多くなってしまい、結局見なくなってしまう
- 通知メールの文面をカスタマイズできない : 固定された文面のため、通知内容を作成する側が気をつける必要がある
- 実行結果がわからない : 一般のユーザーには通知機能が実行されたかどうかを知る方法がないため、うまく動作しているかどうか判断できない
もし、通知機能をご存じでなければ、以下のページを参照ください。
Title: 通知を管理する
URL: https://support.office.com/ja-jp/article/99dfb19c-9a90-4a8c-aba1-aa8c8afb0de2
Microsoft Flow とは
お気に入りのアプリとサービスの間に、通知の取得、ファイルの同期、データの収集などを自動化するワークフローを作成し、生産性の向上を行うためのクラウド サービスです。詳細は https://flow.microsoft.com/ja-jp/ を参照ください。
Office 365 E1 などの Office 365 プランには「Microsoft Flow for Office 365」プランが含まれていますので、すぐにでも Microsoft Flow を利用することが可能です。プランに関しては、https://flow.microsoft.com/ja-jp/pricing/ を参照ください。
それでは、実際にオンデマンド Flow で通知を実行してみましょう。
手順 1 : カスタム リストの作成
1. 通達用のリストを作成したい SharePoint サイトの [設定] – [アプリの追加] メニューを選択し、一覧から [カスタム リスト] を選択し、名称を「通達」として作成します。
2. 通達アプリを開いている状態で、[設定] – [リストの設定] をクリックし、[全般設定] の [列] にある「列の作成」をクリックし、以下の 2 つの列を作成します。
手順 2 : フローの作成
1. 通達アプリを開いている状態で、[Flow] – [フローの作成] をクリックします。
2. 画面右側に [フローの作成] ウィンドウが表示されますので、[新しい SharePoint リスト アイテムが追加されたらカスタマイズされたメールを送信する] をクリックします。
3. 初めて Microsoft Flow を利用する際には [Microsoft Flow へようこそ] ウィンドウが表示されますので、[同意] をクリックし、少し待つと表示される画面下の [続行] をクリックします。
4. このまま [フローの作成] をクリックすると、通達アプリにアイテムが登録されると既定のメール内容でメールが届くように設定完了です (簡単ですね!)。今回は条件やメールの文面をカスタマイズしますので、このまま次の手順に進みます。
手順 3 : フローのカスタマイズ
今回は、[緊急] 列に「はい」と指定されたアイテムが追加された場合に、自分で決めた文面の通知メールが届くようにカスタマイズします。重要なのは、Microsoft Flow のカスタマイズは「コードを書かないカスタマイズ」だということです!
1. 画面下の [+新しいステップ] をクリックし、[条件の追加] を選択します。
2. SharePoint のブーリアン列 (はい・いいえを選択する列) を条件とするために、[オブジェクト名] に「緊急」を選択し、[詳細設定モードで編集] をクリックし、条件に「@equals(triggerBody()?[‘OData__x7dca__x6025_’], bool(1))」と入力します。
3. [Send Email] をドラッグしたまま、[はいの場合、何もしない] の下あたりにドロップします。
4. [Send Email] フローをクリックし、[編集] をクリックして、内容を次のように設定し、画面上の [フローの更新] をクリックします。
手順 4 : アイテムの追加とメールの確認
1. 通達アプリのページで [+新規] をクリックし、新しいアイテムを適当に作成し、[保存] をクリックします。この際に、通知メールが送られるように [緊急] 列は [はい] とします。
2. 少し時間が経過すると、次のようなメールが送られてきます。
手順 5 : フロー実行の確認
1. 通達アプリを開いている状態で、[Flow] – [フローの表示] をクリックします。
2. 先ほど作成したフローが表示されますので、[i] (実行の一覧表示) ボタンをクリックします。
3. 実行履歴が表示されますので、確認したい実行結果をクリックします。
4. フロー内のそれぞれのステップが実行されたかどうかなどがマークでわかるようになっており、それぞれのステップをクリックすると、問題があった場合の理由やデバッグに役立つ入出力情報などが表示されます。
問題なく実行された場合)
実行されなかった場合)
入出力情報)
今回は先行リリース環境向けの新しい SharePoint Online との連携機能をご紹介しましたが、Microsoft Flow には数多くのテンプレート、メンバー間でフローを共有するためのチーム フローやオンプレミスの SharePoint Server と連携するためのオンプレミス データ ゲートウェイなど便利な機能が揃っていますので、https://flow.microsoft.com/ja-jp/ をチェックし、ビジネス プロセスの効率化・自動化にお役立てください。