こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。
前回の記事では、Outlook による AutoDiscover のテストとトラブルシュートについてご紹介しました。
今回は、そのテストを少し発展させて、自分以外のメールボックスへの AutoDiscover のテスト方法についてご紹介します。
なぜこうしたテストが必要か
前回の記事では、AutoDiscover で使用される URL の一部が SMTP アドレスの @ マーク以降の文字列から決定されることをご紹介しました。
この動作から、以下のような環境では自分自身のアドレスによる AutoDiscover が成功していても、
他のメールボックスへの AutoDiscover が失敗する場合もあり、後述するような問題が発生する場合があります。
・ 1 つのメールボックスに複数の SMTP アドレスが割り当てられており、それぞれのアドレスのドメイン部分の文字列が異なる
・ 組織内で複数のドメインやサブ ドメインを使用しており、自分自身と接続しようとしているメールボックスにおいて SMTPアドレスのドメイン部分の文字列が異なる
・ Exchange Online 環境で独自ドメインではなく、xxxx.onmicrosoft.com の形式で AutoDiscover が必要となった (もしくはその逆)
発生が予想される問題
・他ユーザーや共有メールボックス、会議室などのリソース メールボックスの予定表が開けない、開くのに時間がかかる
・アーカイブ メールボックスが開けない、開くのに時間がかかる
・Exchange Server 2013 環境以降で使用可能なモダン パブリック フォルダーが開けない、開くのに時間がかかる
・Outlook の左ペインにアクセス権を持つ別のメールボックスの情報が表示されるはずが表示されずに自身のメールボックスが重複して 2 つ表示される
テスト手順
通常のテスト手順と大きな差異はありません。
1. Outlook を起動します。
2. Outlook ログオン後、タスクトレイ上の Outlook のアイコンを Ctrl キーを押しながら、右クリックします。
3. [電子メールの自動構成のテスト] をクリックします。
4. “電子メール アドレス” に接続先メールボックスの SMTP アドレスを入力します。
5. [AutoDiscover を使用する] のみをオンに設定し、[テスト] をクリックします。
以上の操作でテストが開始されます。
テスト中に認証ダイアログが表示された場合は、接続先のメールボックスではなく自身のユーザー名とパスワードを入力してテストを進めます。
マイクロソフトまで AutoDiscover 関連のお問い合わせを行う際は、テストの終了を待って [結果]、[ログ]、[XML] それぞれのタブの情報をお寄せください。
[XML] のタブはコピー アンド ペーストによるメモ帳などへの貼り付けが可能です。
[結果] および [ログ] のタブは、お手数ですが全体が確認できるようスクロールしながら画面ショットを採取ください。
テストによる問題解決のコツ
テストで問題解決の足掛かりをつかむ方法については前回の記事と同様です。
他のメールボックスへの AutoDiscover に時間がかかることが分かった場合の対処としては、こちらの記事の方法が有効です。
本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。