こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポートチームです。
今回は Outlook 2013 以降追加された機能である以下の [オフラインにしておくメール] の [期間] の動作と制御方法についてご紹介します。
<Outlook 2016 の画面>
■ 動作について
Exchange Server 環境で Outlook をキャッシュ モード オンで使用している場合、Outlook 2010まではローカルにダウンロード (同期) する期間を指定することができませんでしたが、Outlook 2013 以降はローカルにダウンロードできるメールの期間を指定できるようになりました。
本機能はメール アイテムの一部が対象であり、以下の項目は今回ご紹介している [オフラインにしておくメール] の対象ではございません。
・予定表
・連絡先アイテム
・タスク
・ジャーナル
・メモ
・[送信トレイ] のアイテム
・共有メール ボックスや代理人設定されているメール ボックス (Outlook 2013 ご利用の場合のみ)
なお、Outlook がキャッシュ モード オンの場合でネットワークがオフラインの状態などで Exchange Server に接続できない状況のときは、ローカルにダウンロードしているアイテム以外は参照することができません。
– 参考情報
Title:Only a subset of your Exchange mailbox items are synchronized in Outlook 2016 or 2013
URL:https://support.microsoft.com/en-us/kb/2733062
URL:https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/2733062 (日本語機械翻訳)
■ [オフラインにしておくメール] の [期間] の初期値について
[オフラインにしておくメール] の [期間] の初期値は Outlook の更新プログラムの適用状況により異なります。
Outlook 2016と Outlook 2013 のバージョンが 15.0.4517.1003 以上 (2013 年 7 月以降の更新プログラムを適用した) の場合
ディスク容量により、[オフラインにしておくメール」の [期間] の初期値が異なります。
・ 32GB 以下 -> 1 か月
・ 32GB 以上、64GB 未満 -> 3 か月
・ 64Gb 以上 -> 12 か月
Outlook 2013 のバージョンが 15.0.4517.1003 未満 (2013 年 6 月以前の更新プログラムを適用した) の場合
ディスク容量にかかわらず、キャッシュ モード保持期間は初期値では 12 か月となります。
– 参考情報
Title : オフラインで保持するメールの数を変更する
■ 管理者が一括で制御する方法について
(1) グループ ポリシーでの展開
グループ ポリシー テンプレートを使用して制御するには、グループポリシー管理エディターを起動して [ユーザーの構成]-[ポリシー]-[管理用テンプレート: セントラルストアから取得したポリシー定義 (ADMX) ファイルです。] を展開し、以下のテンプレートを使用します。
Outlook 2013 用テンプレート ツリー : [Microsoft Office Outlook 2013]-[アカウントの設定]-[Exchange]-[Exchange キャッシュ モード]
Outlook 2016 用テンプレート ツリー : [Microsoft Office Outlook 2016]-[アカウントの設定]-[Exchange]-[Exchange キャッシュ モード]
テンプレート : [Exchange キャッシュ モードの同期設定]
状態 : 有効
オプション : 選択肢から希望の期間を選択してください。
– 補足
グループ ポリシーで展開する場合には、該当のUIはグレー アウトしてお客様側で任意に変更できない状態となります。
グループ ポリシーで展開した場合に端末に追加されるレジストリ情報については (2) をご確認ください。
設定する場合には最新の管理用テンプレートのダウンロードと配置をお願いいたします。
管理用テンプレートのダウンロード先やテンプレートの配置方法、設定方法については以下の Blog を参照ください。
Title : Office の管理用テンプレートを利用してグループ ポリシー (GPO) で Outlook の設定を制御する方法
URL : https://blogs.technet.microsoft.com/outlooksupportjp/2015/08/28/office-gpo/
(2) レジストリでの展開
後述のレジストリを設定することで [オフラインにしておくメール] の期間を制御できます。
Outlook バージョンと更新プログラムの適用状況により、制御できる期間が異なります。
– 注意
Policies 配下のレジストリを設定する場合には管理者権限が必要です。
Policies 配下のレジストリを設定すると、該当のUIはグレー アウトしてユーザーが任意に変更できない状態となります。
レジストリのキーが存在しない場合には、作成してください。
グループ ポリシーで展開した場合は Policies 配下にレジストリ キーが追加されます。
Outlook 2016 のバージョンが 16.0.4378.1000 未満 (2016 年 4 月以前の更新プログラムが適用されている) の場合 と Outlook 2013 の場合
SyncWindowSetting のレジストリで、すべて、1、3、6、12、24 か月のどれかの期間を設定できます。
例 : 3 か月の場合
キー : HKEY_CURRENT_USERSoftwarePoliciesMicrosoftOfficex.0OutlookCached Mode
または
キー : HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftOfficex.0OutlookCached Mode
x.0 には 16.0 (Outlook 2016)、15.0(Outlook 2013) を入力します。
種類 : REG_DWORD
値の名前 : SyncWindowSetting
値のデータ : 3
Outlook 2016 のバージョンが16.0.4378.1000 以上 (2016 年 5 月以降の更新プログラムが適用されている)の場合
SyncWindowSettingDays と、SyncWindowSetting の両方のレジストリを設定して制御できます。
3 日間や 1、2 週間、すべて、1、3、6、12、24 か月のどれかの期間を設定できます。
例 : 1 週間の場合
キー : HKEY_CURRENT_USERSoftwarePoliciesMicrosoftOffice16.0Outlook Cached Mode
または
キー : HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftOffice16.0OutlookCached Mode
種類 : REG_DWORD
値の名前 : SyncWindowSettingDays
値のデータ : 7
キー : HKEY_CURRENT_USERSoftwarePoliciesMicrosoftOffice16.0Outlook Cached Mode
または
キー : HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftOffice16.0OutlookCached Mode
種類 : REG_DWORD
値の名前 : SyncWindowSetting
値のデータ : 0
– 補足
Outlook 2016 のバージョンが 16.0.4378.1000 未満 (2016 年 4 月以前の更新プログラム適用状態) の場合と Outlook 2013 の場合、3日間、1週間、2週間は指定できません。
– 参考情報
入力する値のデータの詳細は以下を参考ください。
Title : Update lets administrators set additional default Sync Slider windows for new Exchange accounts in Outlook 2016
URL : https://support.microsoft.com/en-us/kb/3115009
URL : https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/3115009 (日本語機械翻訳)
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