(この記事は2016 年 10 月 31 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 Creepy but Cool Facts on Artificial Intelligence の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)
きわめて高度な知能を持つロボットが、ついに、すべての元凶は人間にあると結論付ける――そんなシーンを映画で目にしたことがあるでしょう。SF の世界だけの話だと思っていませんか? 確かにそうかもしれません。しかし、人工知能 (技術者の世界では AI と呼びます) の分野では目覚ましい進歩が認められるのも事実です。今日では、人間よりも頭が良くて仕事を肩代わりしてくれる機械が開発されており、きわめて近い将来、こうしたマシンはテクノロジ漬けのライフスタイルを維持するうえで欠かせない存在になるでしょう。
AI の世界ではあまりにも多様な取り組みが進められているため、このテクノロジに対する人々の意識が薄れてきている気がします。そこで今回は、AI の世界で現在進行しているちょっと怖い、でも目が離せない進歩について、改めて取り上げてみたいと思います。
マイクロソフトによる AI への多大な投資
マイクロソフトは先ごろ、5,000 人超で構成される AI チームへの投資を行っており、こうしたことからもチャンスが確実に存在することは明らかです。この 5 年間だけを見ても、音声認識や画像認識の機能は急速な進化を遂げており、AI こそコンピューター サイエンスが最終的に目指すべき「聖杯 (英語)」だと考える人も少なくありません。マイクロソフトが Ignite で発表した今回の新しいグループは、マイクロソフト リサーチのほか、マイクロソフトの情報プラットフォーム グループや、Bing と Cortana の製品グループ、さらに、アンビエント コンピューティングとロボティクス チームのメンバーで構成されます。コンピューター サイエンティストとエンジニアから成るこの新たなグループでは、AI の進化 (英語) を加速し、AI をだれにとっても使いやすく価値あるものにしていきたいと考えています。
ちょっと怖い、でも目が離せない AI の話
先日開催された Gartner Symposium/ITxpo の 基調講演 (英語) では、Satya Nadella が AI のトレンド予測について詳しくお話ししました (英語)。これに関して Gartner が公開しているいくつかの統計情報をご紹介しましょう。
- 2020 年までに、モバイル デバイス上での仮想パーソナル アシスタントとユーザー間のやり取りのうち 40% が、クラウド ベースのニューラル ネットワークのユーザーから収集されたデータに基づいて行われるようになる (出典 (英語))。
- 2018 年末までに、デジタル アシスタントは顔や声でユーザーを認識するようになる (出典 (英語))。
- 今後 10 年以内に、顧客サービス業務全体の 85% が人間の顧客サービス担当者を必要としなくなる (出典 (英語))。
- 2018 年までに、20% のビジネス向けコンテンツがマシンによって作成されるようになる (出典 (英語))。
- 2018 年までに、インターネットに接続する 60 億のデバイスから、先を見越してサポート要求が出されるようになる (出典 (英語))。
- 2020 年までに、人間に管理されない自律的なソフトウェア エージェントが経済取引全体の 5% に関与するようになる (出典 (英語))。
- 2018 年までに、全世界の 300 万人を超える労働者が、いわゆる「ロボット上司」の下で働くようになる (出典 (英語))。
- 2018 年までに、推定 200 万人の従業員が、業務中に健康管理用のウェアラブル デバイスの着用を求められるようになる (出典 (英語))。
- 2018 年までに、AI を早期導入した企業の 45% で、スマート マシンの数が従業員数を上回るようになる (出典 (英語))。
今後 AI がさらに進歩すれば、従業員として働くことの意味や、日々の業務を共に進める顔ぶれに大きな影響が及ぶことは明らかです。まずはごく近いうちに、職場にいる人間の数をロボットの数が上回ると考えられます。Forrester の予測 (英語) によれば、今後 10 年で 16% の仕事が AI に取って代わられる見込みです。既に Cortana や Siri をはじめとするパーソナル アシスタントが普及 (英語) していることからも、AI がいかに勢い付いているかがわかります。変化のスピードがあまりにも速いため、報道されているようにイーロン マスク氏 (英語) などの著名人が AI を安全かつ倫理的に利用する目的で巨額の投資を行っているようです。
より良い明日を約束するために
このテクノロジを利用しているのは、企業だけではありません。科学者たちは精神疾患のシミュレーション (英語) や嘘をつくロボットの開発 (英語) など、AI をさまざまな実験に活用し、人間心理の研究に役立てています。AI は驚くほどの力を秘めており、従来の価値基準を根底から覆すようなイノベーションを必ずや生み出すでしょう。私たちは前に進むしかないのです。応用 AI と高度な機械学習を利用すれば、人間よりも頭の良い物理デバイス (考えるロボット、自動運転車、スマート家電) から、アプリケーションやサービスに至るまで、あらゆるタイプのインテリジェントの導入 (英語) が可能になるだろうと考えられています。
パートナーの皆様にとって AI がビジネス チャンスにつながることは間違いありません。AI の世界市場は 2024 年末までに 3 兆 613 億 5000 万ドル (英語) を超えることが見込まれています。さあ、準備は良いですか? 未来はもう、すぐそこまで来ています。
現在そして将来にわたって、人工知能への投資をどのように進めたいとお考えですか。今日のテクノロジによって実現されることは、実用面および倫理面においてどのような意味を持つと思いますか。ぜひご意見をお聞かせください。