キャッシュモードは既定では有効であり弊社では基本的にはキャッシュモードを推奨していますが、お客様の希望や利用状況によってはオンライン モードで利用した方がよい場合もあります。この記事ではキャッシュモードとオンラインモードでの動作の違いやメリット・デメリットを紹介します。また、キャッシュモードにある [共有フォルダーをダウンロード] の設定がオンの場合とオフの場合のメリット・デメリットも紹介いたします。どの設定で利用した方がよいかを検討する際に参考にしていただければ幸いです。
なお、Exchange キャッシュモードとオンライン モードがどういう設定であるかや参考資料についてはこちらの記事をご覧ください。
キャッシュモード
メリット
・メール一覧を表示・メールを開く・メールを作成して送信するなどの作業を行う際に、
まずローカルのコピーに対して操作が行われるため処理がはやい。
・一定の間隔でまとめてデータの同期が行われており、ネットワーク効率がよい。
そのため、サーバーやネットワークへの負荷を低く抑えることができる。
・ネットワークの遅延や切断などの問題が発生した際は自動的にオフラインに切り替わり、
ローカルのキャッシュを使用して操作し続けることができる。
デメリット
・ローカルにキャッシュするためのディスク領域が必要。
・ローカルにデータがダウンロードされる。
(セキュリティ上の理由によりローカルにメールなどのデータを残したくない場合はキャッシュモードでは利用できない)
・Outlook で変更を行うと、まずローカルのデータに対して処理が行われた後に、
一定の同期タイミングによりまとめて変更が反映されるのでそれまでは更新されない (最大 60 秒)。
・Exchange サーバーのメールボックス上で変更が行われると、
一定の同期タイミングによりまとめて変更が反映されるのでそれまでは更新されない (最大 60 秒)。
(同期タイミングについてはこちらの記事をご覧ください)
オンラインモード
メリット
・ローカルにデータがダウンロードされない。
(セキュリティ上の理由によりローカルにメールなどのデータを残したくない場合はオンライン モードで利用する必要がある)。
・ローカルにキャッシュするためのディスク領域が不要。
・常に最新のデータを表示したり更新したりすることができる。
・負荷分散が構成されている仮想環境を利用する場合のように OST ファイルの再作成が頻繁に発生するような状況では
キャッシュ モードでは利用できないため、オンラインモードで利用する必要がある。
(OST ファイルを作成してキャッシュし直すことが繰り返されることは効率が悪く、 キャッシュモードで利用し続けると
将来 KB949486の問題 (OST ファイルの再作成が多数行われるとキャッシュモードでログオンできなくなる) が発生するため)
デメリット
・一般的にはキャッシュモードに比べて操作が遅くなる。
(毎回 Exchange サーバーのメールボックスにアクセスしてデータを取得するため。
2 回目以降はメモリ上に読み込まれているデータが残っている場合はメモリから読み込むため高速に処理されるが、
メモリ解放後は再度 Exchange サーバーにアクセスしてデータを取得する動作となる)
・頻繁に Exchange サーバーからデータを取得する必要があるため、ネットワークや Exchange サーバーに負荷がかかる。
・検索を行うと Exchange サーバー側で検索を行うため、Exchange サーバーに負荷がかかる。
キャッシュモードの [共有フォルダーをダウンロード] をオン
メリット
他のユーザーの予定表などの共有フォルダーのデータをローカルにキャッシュし、
ローカルにキャッシュされたデータの表示や更新を行うため、一般的にはユーザーの操作が速くなる。
デメリット
・他のユーザーの予定表などのデータをキャッシュするためのディスク容量が必要。
・予定表に他のユーザーの予定表が多数登録されていると、以下のような問題が発生する場合がある。
* Outlook は起動時に予定表に登録されている全ユーザー (チェックがオンオフどちらでも) の予定表を同期し、
ユーザーごとのセッションを維持し続けて変更があると同期が行われる。
その影響によって Outlook の起動に時間がかかったり Outlook の全体的なパフォーマンスが悪くなったりする場合がある。
* 他のユーザーの共有フォルダーをキャッシュするため OST ファイルのサイズが大きくなり、
OST ファイルのサイズに比例してパフォーマンスが悪化する。
キャッシュモードの [共有フォルダーをダウンロード] をオフ
メリット
・他のユーザーの共有フォルダーに対して操作を行う際、最新のデータの表示と更新ができる。
(直接ネットワーク上の他のユーザーのメールボックスからクライアントのメモリにデータを読み込む動作となるため、
同期タイミングの影響を受けない)
・自分のメールボックスはキャッシュし他のユーザーの予定表などのフォルダーはキャッシュしないことになるため、
OST ファイルのサイズを抑えることができる (他のユーザーの共有フォルダーをキャッシュするためのディスク容量が不要)。
・予定表に他のユーザーの予定表が多数登録されていて以下のような問題が発生している場合は、パフォーマンスが改善する。
* Outlook は起動時に予定表に登録されている全ユーザー (チェックがオンオフどちらでも) の予定表を同期し、
ユーザーごとのセッションを維持し続けて変更があると同期が行われる。
その影響によって Outlook の起動に時間がかかったり Outlook の全体的なパフォーマンスが悪くなったりする場合がある。
* 他のユーザーの共有フォルダーをキャッシュするため OST ファイルのサイズが大きくなり、
OST ファイルのサイズに比例してパフォーマンスが悪化する。
デメリット
予定表に多数のユーザーが登録されていない場合は、
[共有フォルダーをダウンロード] がオンの場合に比べてユーザーの操作が遅くなる。