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Exchange 2013/Exchange Online に接続する Outlook 2007 で SCL -1 を割り当てているメールが迷惑メールに仕分けられてしまう

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特定のメールが迷惑メールに振り分けられないようにするための Exchange Server での対処として、トランスポート ルールにより SCL に -1 を割り当てるというものがあります。しかし、Exchange Server 2013/Exchange Online で利用している場合に SCL -1 を割り当てていても迷惑メールに仕分けられる場合があるという KB2885002の問題があります。この記事ではこの問題について説明します。(この問題は Outlook 2007 ではどのバージョンでも発生し、Outlook 2010 では Outlook.exe が 14.0.7116.5000 未満、Outlook 2013 では Outlook.exe 15.0.4605.1000 未満の場合に発生する問題です)

現象
Exchange Server 2013 または Exchange Online と Outlook 2007 の組み合わせで利用している場合に、迷惑メールではないことを明示的に指定するために Exchange サーバーのトランスポート ルールで SCL (Spam Confidence Level) に -1 を設定しても、迷惑メールに仕分けられてしまいます。

原因
Outlook 2007 には RPC が暗号化されていない場合に SCL -1 を判断できないという不具合があり、
Exchange Server 2013/Exchange Online では RPC の通信が暗号化されていないためにこの問題が発生します。
なお、RPC の通信が暗号化されていなくても、Outlook Anywhere では SSL により暗号化されているため、セキュリティ上の問題はありません。

対処方法
Outlook 2007 の [ツール] メニュー-[オプション]-[迷惑メール] の処理レベルを [自動処理なし] に設定します。
グループ ポリシーで制御する場合は outlk12.adm に含まれる [Microsoft Office Outlook 2007]-[ツール | オプション]-[ユーザー設定]-[迷惑メール] の [迷惑メールの処理レベル] [有効] にし [処理しない] を指定します。

注意:
Exchange Server 2013 ではセーフリスト集約機能が既定で有効であるため、
承認済みドメインのドメインやメールアドレスを差出人セーフリストに追加しても
Exchange Server 側のセーフリスト集約機能により定期的に削除されます。
そのため、差出人セーフリストに自分のドメインを登録する方法で回避することはできません。
自分のドメイン名のメールアドレスになりすまして送信されている迷惑メールがよくあるため、自分のドメインを追加できないように意図的に制限されています。

  セーフリスト集約について: Exchange 2010 SP1

詳細
・Outlook 2007 は修正プログラムがリリースされていないため上記の対応が必要ですが、
  Outlook 2010 と Outlook 2013 ではそれぞれ以下の修正プログラムで修正されているため、
  これら以降の修正プログラムを適用して新しいバージョンの Outlook.exe に更新することで回避することができます。
   
    Outlook 2010: 2014 年 2 月の修正プログラム KB2863918 (Outlook.exe 14.0.7116.5000)
    Outlook 2013: 2014 年 4 月の修正プログラム KB2878323 (Outlook.exe 15.0.4605.1000)

・Exchange Server に接続するキャッシュモードの Outlook 2007/2010 では以下の流れで迷惑メールかの判断を行います。
   (参考: オンラインモードの場合は、Outlook は迷惑メールかの判断は行いません)

  1. 迷惑メールの処理レベルが [自動処理なし] に設定されているかを確認します。
      設定されている場合は、受信トレイに受信します。
      設定されていない場合は、次の処理に進みます。

  2. 以下にいずれかに合致しているかを判断します。
      合致している場合は受信トレイに受信します。
      合致しない場合は、次の処理に進みます。

     ・送信者が Exchange で匿名認証以外の方式で認証され、差出人が LegacyExchagneDN への名前解決が行われている。
     ・Exchange サーバーによって SCL (Spam Confidence Level) に -1 が設定されている。

   3. 迷惑メール フィルターの処理を開始します。
       迷惑メール フィルターは含まれているデータやメッセージ構造を
       独自のアルゴリズムを使用して迷惑メールかの判断を行います。
       迷惑メールと判断した場合は迷惑メールに受信し、迷惑メールではないと判断した場合は受信トレイに受信します。

補足
Exchange Server 2013/Exchange Online と Outlook 2007 の組み合わせでは、他に以下の問題が発生することを確認しています。あわせてご覧ください。

  Exchange 2013/ Exchange Online に接続する Outlook 2007 で予定表を共有するとエラーが発生する (KB2836889 の問題)

迷惑メール フィルターについては、以下のブログ記事でも説明しておりますのであわせてご覧ください。
なお、迷惑メール フィルターではメッセージ内のデータやメッセージ構造を独自のアルゴリズムを使用して迷惑メールかを判断しており、判断基準は公開しておりません。

  迷惑メール フィルターの判定基準について


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