Jill_M [MSFT]
2012 年 11 月 6 日
これは、Office ソリューション管理チームのプログラム マネージャー David Matsumoto 氏によって作成された投稿です。
最近のブログ投稿では、Office 2013 に新しく追加された Office テレメトリ機能について説明してきました。テレメトリ ダッシュボードについて詳しく説明したブログ投稿をお読みになった方や、この機能を既にご利用になられている方もいらっしゃるでしょう。
このブログ投稿では、テレメトリダッシュボードと一緒にインストールされる Office 2013 のテレメトリ ログについて、その目的や活用方法を説明します。それでは、始めましょう。
テレメトリ ログを使う理由
テレメトリログを使用すると、エンド ユーザーが、ローカル クライアント コンピューター上の特定の Office 2013 アプリケーション* で発生する互換性の問題を検出できます。テレメトリダッシュボードが、使用状況とテレメトリに関する情報を組織全体で収集して 1 つのビューに表示する企業の IT 担当者を対象とした機能であるのに対し、テレメトリ ログは、同じ種類の情報を、ユーザーのコンピューターにユーザーごとに表示します。
テレメトリログ記録を有効にすると、ユーザーが Office 2013 のファイルやソリューションを開いたり閉じたりするたびに、クライアント コンピューターのローカル データ ストアにイベントが記録されます。エラーが検出された場合は、明らかなエラーでなくても、ユーザーおよびコンピューターの情報と共にローカルデータ ストアに記録され、可能であれば、テレメトリ ログに表示できる既知の互換性の問題にマップされます。
* テレメトリ ログで追跡される Office のファイルとソリューションの一覧については、「テレメトリ ログで監視する問題」の表 1 を参照してください。
開始する方法
Office 2013 を Windows 8 にインストールした場合は、上方向にスワイプしてアプリバーを表示し、[すべてのアプリ] を選択して [Office 2013 テレメトリ ログ] を選択するだけです (Windows 7 にインストールした場合は、[すべてのプログラム] を選択し、プログラムの一覧で [Microsoft Office 2013]、[Office 2013 ツール] の順に展開して、[Office 2013 テレメトリ ログ] を選択します)。
テレメトリログを起動すると、Excel 2013 の新しいブックが開きます。そのブックには、"イベント"、"システム情報"、"ガイド" の 3 つのワークシートがあります。
"ガイド" ワークシートをクリックし、緑色のボタンをクリックして、ログ記録を有効にします。
これで準備は完了です。Office 2013 でドキュメントやソリューションを開くと、すぐにテレメトリログで追跡されます。ドキュメントを開いたり閉じたりするか、ソリューションを読み込んでみた後、"イベント" ワークシートに戻り、ヘッダー ウィンドウの右上にある更新ボタン () をクリックすると、そのドキュメントやソリューションを開いたり閉じたりしたときに発生したすべてのイベントに対応する行が表示されます。これを確認するには、"イベント" ワークシートの列をいくつかチェックします (以下の図 1の例を参照)。
たとえば、"イベント" ワークシートには次のような情報が表示されます。
- ファイルが読み込まれた日時
- ファイル名
- 起動したアプリケーション (Word、Excel、PowerPoint など)
- ファイルの読み込み元
図 1: テレメトリ ログ (イベント ビュー)
コンピューター上でテレメトリログが有効になっているかどうかを確認することもできます。それには "システム情報" ワークシートをクリックします。これにより、テレメトリ ログ記録が有効かどうかが表示されます。
注意: 管理された環境でクライアント コンピューターを使用している場合は、テレメトリログ記録が有効になるように IT 管理者がコンピューターをプロビジョニングしている可能性があります。この場合、データはデータベースにアップロードされ、テレメトリダッシュボードにレポートされます。
テレメトリ ログの活用方法
テレメトリログは、経験を積んだユーザーやテスト担当者がドキュメントやソリューションの問題を調査して適切な修正手順を見つけるのに特に役立ちます。
ここでは、テレメトリログを使用してドキュメントの問題をトラブルシューティングする例について検討します (この例は、ソリューションのトラブルシューティングにも応用できます)。
1. テスト担当者が、2 つのドキュメント (例: CalendarControl_report.xls と ConfidentialityAgreement_template.docx) を読み込んで、問題のあるコントロール (または、マクロなど) を実行します (問題がテレメトリ ログに記録されるように、実際にコントロールを実行して問題を発生させる必要があります)。
2. テスト担当者がテレメトリログを起動して "イベント" ワークシートを開き、使用したドキュメントを見つけます。それらのファイルに対してエラーおよび警告が生成されたことがわかります。問題の原因に関する説明も表示されます (以下の図 2 の強調箇所を参照)。
図 2: テレメトリ ログ – ドキュメントのエラー/警告と説明が含まれる "イベント" ビューの例
3. テスト担当者が、調査する問題 (この場合は ConfidentialityAgreement_template.docx ドキュメント) に対応する "詳細情報" 列のリンクをクリックします。MSDNの詳細情報が表示されます。そこからさらに詳しい情報を参照して、開発者が問題を修正するのに役立つ情報を見つけることができます (以下の図 3の強調箇所を参照)。
図 3: MSDN の詳細情報を参照
4. 開発者が問題を修正したら、テスト担当者は更新されたファイルのコピーを開いて、テレメトリログに新しい問題が記録されないことを確認します。
まとめ
このブログ投稿では、テレメトリログの目的、使い始める方法、およびエンド ユーザー (特に開発者とテスト担当者) による活用方法について説明しました。
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