Outlook 2013/2010 ユーザー・管理者向け
こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。
今回は Outlook で予定表を表示する際の制限数に関連する情報についてご紹介します。
Outlook 既定の動作としては、同時に参照できる予定表は 30 個までですが、「Outlook 2010 における予定表の追加数制限について」のサポート技術情報 (kb2670061) に記載しているレジストリを追加することにより 30 個以上参照することができます。
今回は 30 個以上参照する方法と30 個以上参照した場合の懸念事項について本 Blog にてご案内いたします。
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目次
30 個以上の予定表を参照した場合の制限事項について (Outlook 2010, Outlook 2013 共通)
多数の共有の予定表を参照する場合のデータのダウンロード設定について
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以下のレジストリ設定を行うことにより、予定表を既定の 30 個よりも多く表示させることができるようになります。
<Outlook 2010>
キー : HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Outlook\Options\Calendar
または
キー: HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\14.0\Outlook\Options\Calendar
名前 : CalendarMaximumNumber
種類 : REG_DWORD
値 : 40, 50, 60, 60, 70, 80, 90, or 100 ( 10 進 )
上記の値で 40 を指定した場合、最大 40 個まで予定表が参照できます。
<Outlook 2013>
キー : HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\15.0\Outlook\Options\Calendar
または
キー: HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\15.0\Outlook\Options\Calendar
名前 : CalendarMaximumNumber
種類 : REG_DWORD
値 : 40, 50, 60, 70, 80, 90, or 100 ( 10 進 )
上記の値で 40 を指定した場合、最大 40 個まで予定表が参照できます。
30 個以上の予定表を参照した場合の制限事項について (Outlook 2010, Outlook 2013 共通)
前述のレジストリを変更することにより、30 個以上の予定表を同時参照・表示することができ、閲覧するだけであれば問題はありません。
しかし、30 個以上同時表示させた状態で操作を行うと以下のような動作となります。
- 事象
・ 31 以降の予定表を ダブルクリックするとフォームの選択画面が表示され、会議開催依頼を選択してOKを押しても「アクセス権がありません」と表示され、会議開催依頼の画面が表示されない。
・ 51 以降の予定表フォルダーにて上記と同じ手順を行うと、無反応で何も起きない。
- 対処方法
チェック ボックスのチェックをはずして、同時に表示する予定表の数を30個以内にして操作を実行してください。
多数の共有の予定表を参照する場合のデータのダウンロード設定について
多数の予定表を参照する場合は、[共有フォルダーをダウンロード] はオフにして利用することをおすすめいたします。手順については後述をご確認ください。
表示する予定表のチェックがオフの場合でも、Outlook はナビゲーション ウィンドウに登録されている予定表のローカル データを更新するため、メールボックスに接続して同期を行います。
この動作によりネットワークの負荷がかかり、同期されるデータ量が多い場合はパフォーマンスに影響が出る可能性があります。
[共有フォルダーをダウンロード] をオフにした場合メリットとデメリットについては以下をご確認ください。
- メリット
・直接ネットワーク上の他のユーザーのメールボックスからクライアントのメモリにデータを読み込んで作業を行うため、最新のデータの表示と更新ができる。
・[共有フォルダーをダウンロード] をオンにしている場合は [共有の予定表] に追加している全ユーザーの予定表をローカルの OST ファイルにキャッシュするため大きなディスク容量が使用されるが、その分のディスク容量が不要。
- デメリット
・オフラインの場合には他のユーザーの予定表が参照できない。
・他のユーザーの予定表のアイテムをダブル クリックで開いたり、直接編集する場合は、サーバーと常に通信するため操作が遅くなる ([共有フォルダーをダウンロード] をオンにしている方がローカルにキャッシュされたデータに対して変更を行うため操作が速い。)
[共有フォルダーをダウンロード] の設定をメニュー画面で行う方法
1. [ファイル] – [情報] – [アカウント設定] – [アカウント設定] をクリックします。
2. [電子メール] タブで、Exchange アカウントを選択し、[変更] をクリックします。
3. [詳細設定] をクリックします。
4. [詳細設定] タブをクリックします。
5. Exchange キャッシュ モードの設定で [共有フォルダーをダウンロード] のチェックをオフにします。
6. [OK] をクリックし、設定を完了し、すべてのダイアログを閉じます。
[共有フォルダーをダウンロード] 設定をレジストリで追加制御する方法
ログオン スクリプトなどで [共有フォルダーをダウンロード] の設定を変更したい場合は、以下のレジストリ設定で制御できます。
<Outlook 2010>
キー : HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Outlook\Cached Mode
または
キー : HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\14.0\Outlook\Cached Mode
名前 : DownloadSharedFolders
種類 : REG_DWORD
値 : 0
<Outlook 2013>
キー : HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\15.0\Outlook\Cached Mode
または
キー: HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\15.0\Outlook\Cached Mode
名前 : DownloadSharedFolders
種類 : REG_DWORD
値 : 0
※注意
既存の Outlook プロファイルを制御する場合は以下の Policies 配下のレジストリを追加してください。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\1x.0\Outlook\Cached Mode
Outlook 2010 で30 個以上の予定表を参照する方法については以下のサポート技術情報がございますので、合わせてご確認ください。
Title: Outlook 2010 における予定表の追加数制限について
URL: http://support.microsoft.com/kb/2670061/ja
Windows Server のドメイン環境でご利用いただいている場合には、レジストリの制御はグループ ポリシーなどでの展開もできます。
Outlook のグループ ポリシー テンプレートや展開方法についてはまた別の機会にご紹介します。