Posted by Diego M. Oppenheimer
9 月 27 日
これは、Office Graphis チームのプログラムマネージャー、Nick Chiang のブログ投稿です。
Scott がグラフ作成の概要に関する投稿で書いているように、ユーザーはデータに適したグラフの種類を選び出すのにいつも苦労します。使用できるグラフの種類と作業対象のデータの種類についてよく理解していないために、データを表すグラフの選択に四苦八苦するユーザーは少なくありません。そして、ついつい自分がよく知っているグラフを選んでしまいがちです。さらに悪いことに、データを正確に表せないグラフを選び、事実をねじ曲げて伝えてしまうこともあります。そこで、Excel 2013 では、データ視覚化への取り組みの一環として、グラフの作成プロセスを簡素化し、データに適した見栄えのするグラフをユーザーがすばやく簡単に作成できるようにすることに注力しました。
まず、[挿入] リボンが向上し、新しい [おすすめグラフ] ボタンが追加されました。この新しい "おすすめ" 機能により、選択したデータをベースにアルゴリズムによって生成された各種グラフの一覧が表示されます。このアルゴリズムはさまざまなデータ配置パターンを探すことで、最適なグラフの種類の一覧を見つけ出します。以前のバージョンの Excel では、この時点でグラフを挿入し、データがどのようにプロットされるかを確認する必要がありました。Excel 2013 では、対象のデータが含まれるグラフのリアルタイム プレビューが表示されます。これにより、確実に正しい判断を下すことができます。どのように出力されるかを推測する必要はありません。この機能は、新しい [グラフの挿入] ダイアログと、クイック分析機能の両方で利用できます (この機能については、後で別のブログ投稿で説明します)。ここでは、このおすすめグラフの機能と、新しい [グラフの挿入] ダイアログおよびクイック分析機能について、いくつか例を挙げながら見ていきましょう (これらの例は、この投稿の最後に添付されているファイルから入手できます)。
例1 – データについて理解する
これは、過去の冬季オリンピックの統計が含まれる非常にシンプルな表です。このデータセットを選択し、[おすすめグラフ] ボタンをクリックすると、新しい [グラフの挿入] ダイアログが表示されます。
このアルゴリズムは、データセットを見て最初の行が年を示していると判断し、最もお勧めするグラフとして折れ線グラフを提示しています (折れ線グラフは、時間経過に沿った変化を表すのに適しています)。ここには、他のグラフの種類も便利なおすすめグラフとして提示されており、同じデータが他のグラフフォームでも表示されています。
例 2 – さまざまな方法でデータをマップする
この例では、基本的な数式をプロットする値があります。今回はクイック分析機能を使ってみましょう。データを選択すると、選択内容の右下隅に新しいアイコンがポップアップ表示されるのがわかります。このアイコンをクリックすると、クイック分析機能が表示されます。
ここで提示されたおすすめグラフの種類は、[グラフの挿入] ダイアログに表示されるものと同じです。グラフの種類のアイコンの上にマウスポインターを置くと、データがプロットされたグラフのリアルタイム プレビューが表示されます。
ここでは、複数の散布図が推奨されていることがわかります。この場合、アルゴリズムは、データを散布図にマップする方法を複数提示しています。データセットに 4 つの列が含まれる場合は、(この例のように) x 値と y 値が 2 セットずつ存在することがあれば、1 列の x 値と、それに続いて y 値のセットが個別に 3 つ存在することもあります。アルゴリズムは、ユーザーが、データセットに適したものを選択できるように複数の異なるマッピングを提示します。ここでグラフの種類をクリックすると、ワークシートに直接グラフが挿入されます。
例 3 – お勧めのピボットグラフ
データセットの値を必ずしもそのままグラフにする必要があるとは限りません。場合によっては、一連の値を集計したもの (合計値や計算値) をグラフに使いたいこともあります。これは、調査結果などのデータを集計するとき、またはまとめるときに便利です。Microsoft のアルゴリズムでは、新しいおすすめピボット機能 (これについては、後で別のブログ投稿で説明します) によって、データからピボットグラフを提案することもできます。
この例では、ペットの種類ごとに参加者の数を示すグラフを、最初のおすすめグラフとして提案しています。他の 2 つのおすすめグラフはそれぞれ、少し異なった解釈によってユーザーのデータセットを示しています (2 番目のグラフは色別、3 番目は果物別の参加者数です)。
おすすめピボット グラフは、右上のサムネイルのピボット アイコンによって区別されます。
おすすめグラフの 1 つを選択すると、ピボットグラフとピボット テーブルがブックの新しいシートに自動的に挿入され、データをさらに詳しく調査できます。
パワー ユーザーの場合
Microsoft では、初心者ユーザーを対象としたグラフ作成操作の強化に重点的に取り組んできましたが、グラフの上級ユーザーのワークフローを妨げるような機能は提供したくありませんでした。そこで、ダイアログを開かなくても、Excel で使用できるすべてのグラフの種類にすばやくアクセスできるように、リボンには個別のグラフの種類のボタンを残しました。
グラフの種類はすべて、[すべてのグラフ] タブの [グラフの挿入] ダイアログからでも使用できます。以下のスクリーンショットを見ると、選択したグラフの種類が、ユーザーのデータの複数のリアルタイムプレビューと共に表示されているのがわかります。これらのオプションは、選択したグラフの種類に対するさまざまなデータ マッピング方法を示します。以下の例では、2 つのマッピングが、行または列ごとにユーザーのデータがプロットされたグラフを示しています。
最後に
Microsoft では、見栄えのするグラフをユーザーが Excel で簡単に作成できるようにさまざまな変更を行いましたが、ここで挙げる例は、そのほんの一部にすぎません。1 つ気を付けていただきたいのは、Excel で使用できるすべてのグラフの種類が、アルゴリズムによって勧められるわけではないという点です。たとえば、3D グラフや、等高線グラフなどの特殊なグラフは勧められません。前にも説明したように、これらのグラフの種類は、[挿入] リボンの個別のグラフの種類のボタン、および [グラフの挿入] ダイアログの [すべてのグラフ] タブで引き続き使用できます。
この新しい機能によってグラフがさらにアクセスしやすくなり、そして作成しやすくなったと、皆様に感じていただければ幸いです。Microsoft では、このおすすめ機能の強化に常に取り組んでおります。操作性に関する皆様のご意見やフィードバックを是非お寄せください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
--Nick Chiang
添付ファイル: Insert Chart blog post.zip